第191節 密かに… (共闘討伐編46)

場所は変わり、とある船内では。

 個々で照達を倒し、この国を侵略しようとしていた2つの組織のトップが顔を合わせていた。

 「あんたが四統のトップの1人、北玄だな?」

「そうだ。そういうあんたはノース・デビルのトップ、ルーペンだな?」

「そうだ。どうやら、お互いに相手を間違えている訳ではないようだな。」

「それで…、予想はつくが、用件はなんだ?」

「駆け引きは面倒だ。だから、単刀直入に聞くぞ。僕等、ノース・デビルと一緒にあの青年達を倒さないか?」

「…成程。そういう申し出なら、こちらとしても有り難い。喜んでその申し出、受けさせてもらうよ。」

「良かった。では早速、あの青年達に勝つ為の作戦を練らないとね…。」

「…悪いが、帰ってもらえるか?」

「何故だ?」

「あんたらはどうか知らんが、俺達はまだ、方針を決めていない。それに、組織の方針を俺の独断で決めることは出来ない。だから、一度あんたは帰ってくれ。俺達が方針を決めたら、またここに来てくれ。」

「分かった。では、今回は失礼しよう。」

そしてルーペン達は船から降りて自分の基地に戻って行った。

 こうして照達の知らないところで2人のトップ会談は幕を閉じた。

照達は自分達の知らないところで自分達を倒す為に2つの敵組織のトップが協力関係になったこと等知らないまま数週間が経過し、今は学年行事で2長野県のある場所を訪れていた。

 そして照達の通っている学校は当人達と担任の合意が有れば他クラスの生徒や女生徒も同室で過ごすことが許されている。

 そして現在、照達は学校が手配した旅館でゆったりしている。

 「なあ、聞いて良いか?」

「ん、何?」

 「鏡華、お前もそうだが、彩羅、お前も何で俺と同じ部屋を求めたんだ?」

「私は貴方の彼女である火花さんよりも仲良くなりたかったし、少しでも貴方のこの行事を良い思い出にしたくて貴方と同じ部屋を所望したの。」

 「んで、鏡華お前は何でだ?」

「私は普通に貴方と彩羅のその仲の良さが気になったし、私もそうなりたいと思ったから。」

「そっか…、悪かったな無粋な質問をして。」

「…良いわよ、気にしないで。それと私も貴女達に聞きたいことがあったの。」

「…何だ?」

「私、ずっと思ってたんだけど、照、貴方と彩羅が仲が良いのは学校でのことだけじゃないと思ってるんだけど…どうかな?」

「…ああ、その推測は間違っていない。が、これ以上俺達のことを勘繰るな。お前等学校の人間でもロクなことにならんからな。」

「分かったわ、そうする。」

翌日、近くの広場で1学年の体力測定を行った。

 照は能力は一切使わず、純粋な身体能力のみで体力測定にあたった。

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