第189節 試験結果 (共闘討伐編44)

「分かりました。」

「ズバリ、合格だ。」

「…へ?」

「聞こえなかったのか?」

「いえ、聞こえましたけど。」

「だったら自分の耳を信じろ、お前が聞いた言葉は真実だ。」

「じゃあ…。」

「ああ、お前は、試験合格だ。そして、修行は俺がつける。」

「本当ですか⁈」

「ああ、色々考えたが俺が直接鍛えた方が良さそうだからな。何より、俺の戦い方の幅が広がるような気がするからな。」

「ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます…。」

光侍は照に鍛えてもらえることが余程嬉しかったのか、暫くの間ずっと「ありがとうございます。」と言い続けていた。

(何だ、コイツ…ずっと言ってるし、こんな奴だったか…?)

「おい、嬉しいのはよく分かった。だから、もう止めろ。流石に煩い。」

「…!失礼しました。」

「さて、これで晴れてお前は試験を突破して俺の弟子となる訳だが…。」

「はい、それが何か…?」

「これは彩羅にも言っていることだが…。」

 「はい。」

「学校にいる間、登下校も含めて上下関係が疑われるような話し方や呼び方はするな。これは絶対に守れ。でなければ、その時点で俺はお前を鍛えることを止める。これだけは覚えておけ、良いな。」

「分かりました。」

「それともう一つ、俺達が通っている学校の一部の人間達には事情は知られているし、その一部の人間は俺と彩羅が籍を置いている組織からの人間だ。そして、今話したことは他言無用だ。」

「分かりました。」

 「さて…それじゃ、早速修行を…と、いきたいが今日はダメだ。」

「分かりました。」

「…!照様、外が面倒なことになるので早く帰りましょう。」

「そうだな。」

照達3人は彩羅の言葉を聞いて速やかに地下室から地上に出て地下室のある施設から帰ろうと外に出るといかにもガラの悪そうな奴等を連れて40代くらいに見える男女が待ち伏せていた。

「まともじゃないのは確かだが一応聞いておこう、あんたらは何者だ?」

 照の問いに答えたのは40代くらいに見える女だった。

「…逆に聞くけど、昔貴方を虐めていた子達を覚えてる?」

「覚えているぞ。あの時の俺は今のような強力な力を持っていなかったから徹底的にボコられたな…。」

「…私と私の隣にいる夫はあの時君を虐めていた主犯の親よ。」

「…で?」

「でっ…て、何も感じないの?」

「感じないな。」

「…ふーん。じゃあこれから言うことを聞いてもその態度でいられるかしら?」

「そうか。そんなに自身があるなら話せば良いだろ。」

「ええ、貴方を虐めていたのは私達が我が子に命じていたのよ。」

「クソどうでも良いな。俺にとっては最早あの出来事は一つの記憶でしかないし、アンタらもどうでも良い。それと言っておくぞ、逃げるなら今のうちにしとけ。」

 照の発言に反応したのは照が昔慕っていた少年の父親だった。

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