第187節 光侍[こうじ]の試験 (共闘討伐編42)
「はい。」
「そうか。なら、まずは俺達と同じ“域”にならなくては話にならんな。」
「同じ“域”…とは、どういうことですか?」
「…それは彩羅に聞け。」
「彩羅さん、同じ“域”…とは、どういうことですか?」
「分かりました。私が貴方を照さんと引き合わましたし、何より説明を任されたので説明しましょう。」
彩羅は光侍に超人とはどういう存在なのかを組織等を隠してできる限り丁寧に説明した。
「成程。つまり、照さんや彩羅さん達は超人と言う人間の上位存在でそれになると普通の人間では出来ないことができるようになる、ということですね。」
「そういうことだ。」
「そして僕は貴方達と同じ超人になれば試験を受けられるということですね?」
「そうだ。そのなり方はまた、彩羅に聞いてくれ。」
「分かりました。」と、話していると学校の最寄駅に着いた。
「んじゃ、俺と彩羅は帰らせてもらう。」
「はい。」
こうして学校の最寄り駅で別れ、照と彩羅は電車とバスを利用して其々の家に帰った。
翌週、土曜日。
彩羅の紹介で光侍と会ってから2日後、彩羅から光侍が超人になれたと連絡が入り、更に3日後彩羅から今日は可能か?という連絡が入り、照はそれを了承し、今は両手足と首に重量を上げてトータル30キロの重りを付けた動きやすい服装で凍士や火花と試合をした地下室で彩羅が光侍を連れて来るのを待っているところだ。
10分後、彩羅が光侍を連れて地下室に入って来た。
「光侍君、今日は宜しく。」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。」
「彩羅、お前から見て今日の光侍君の調子はどうだ?」
「最高ですよ!」
「そうか、それは良かった。なら、この武舞台の上で試験を行おうか。」
「はい。」
そして照と光侍は互いに武舞台に上がり、2メートル程の間を空けて向かい合った。
「さ、いつでも。」
「あの…始める前に聞きたいのですが、その身に付けている黒いモノは…?」
「…これは重りだ。試験で本気を出したら多分威圧しただけで終わってしまうだろうし、何より自分の修行にならないからな。」
「成程…。すみません、折角気合い入っていたのに…。」
「気にする必要はない。さ、何処からでも良いから来い!」
「はい!」
光侍は光を剣の形に集めて両手でしっかりと握り、力強く武舞台を蹴って照の左腕目がけて光の剣を振り切ったが、照の左腕に直撃は当然として掠りさえしなかった。
(嘘、僕の光の剣は見えていないはずなのに…)
「さて。それで、君の攻撃は終わりかな?」
「ま、まだです!」
そう言うと、光侍は光の剣を解除して今度は光を集めてメリケンサックを作り、両手に装備した。
今度は先程とは違いあらゆる方向から攻撃を仕掛けたがどれも照には当たらなかった。
(何故、何故なんだ!何故この人には僕の攻撃が一つも当たらないんだ!)
「さて…君の強さやイメージは分かった。だからさっさと終わらせようか。」
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