第185節 取り敢えずの平穏3 (共闘討伐編40)
「そりゃ、そうよね。当時の私は影が薄かったし、綺麗でもなかってから…。」
「そっか…。あのさ、なんて呼んだら良い?」
「…うーん、普通に鏡華で良いよ。」
「分かった、俺のことは照で良いよ。」
「分かった。改めて…宜しく、照。」
「こちらこそ宜しく、鏡華。」等と話ている内に互いに弁当を完食していた。
「聞きたいんだが…。」
「何?私に分かることなら何でも答えるよ。」
「ああ、そんなに気張らなくて良いよ。聞きたいのはそんなに重いことじゃないから。」
「そうなの?それで…聞きたいことって?」
「ああ、俺達と同じ中学出身の奴は他にもいるのか…?」
「…そうね、私の知る限りだと…あと3人、だと思う。」
「そうか、ありがとう。」
「…そう言えば、朝の話の続きをしないと。」
「朝…?えっと…何の話だっけ…?」
「私の名字の話。」
「ああ、そうだったな。朝は話してくれなかったら教えてくれ。」
「分かったわ。けど…言う前に一つ約束してくれる?」
「うん、良いよ。」
鏡華は「わたしは小さな声で言うから広めたりしないで静かに聞いて、それと、貴方も小さな声で返してね。」と、前置きをしてから。
「私達のクラスの担任は私の従兄妹で私の兄のような存在なの。」
「…!そうなの?」
「うん。それで、今私の家族の家の近くに住んでいるの。」
「…?ごめん、担任の名前って何だっけ?」
「 如月刃きさらぎじん)よ。」
「成程…。」
「…納得出来たみたいで良かった。」
「…ああ、納得はしたけどこんなにコソコソ喋らなくても良いんじゃないか?」
「念には念を…よ。この話は他の同じ学校出身者には言わないように言っているから貴方も言わないでね。分かっているとは思うけど、これはネットも含んでいるからね。」
「…分かってるよ、この現代社会だと何処から情報が漏れるか分からないからな。因みに彩羅にも言ってあるのか、今の話は?」
「ええ、勿論。あの娘は快く引き受けてくれたわ。」
「そうか、良かった。」
「…午後も頑張ろう。」
「ああ。」
と、話している間に昼休みは終わった。
そして午後最初の授業は科学だった。
照の復学した今日は運良く実験回だったので教科書を使うことはなく終わった。
次の授業は体育だった。
照を含む、クラス全員は体育館で担当教員が来るのを待ち、そして担当教員が来るなり照は担当教員に呼ばれた。
因みに担当教員は照が創設者の1人である組織に在籍している者だ。
「はい、何でしょう…?」
「照…いや、照さん。分かっているとは思いますが、能力(ちから)は学校では使わないで下さい。」
「勿論、分かっているし、言われるまでもなく使うつもりは無いよ。」
「そうですか。」と、担当教員は肩の荷が下りた。
「それじゃ、俺は自分の位置に戻る」と言って素早く自分の位置に戻った。
照と担当教員の会話はコソコソと小さな声でしていたので他のクラスメイトの誰かに聞かれることはなかった。
「よし、それでは体育の授業を始める。」
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