第184節 取り敢えずの平穏2 (共同討伐編39)

照以外の生徒達は元気良く、『はい!』と返事した。

「火野、席に戻って良いぞ。」

照は担任の言葉を聞いて自分の席に戻って座った。

 その後、連絡事項の通達、出席確認を行って朝のHR(ホームルーム)は終了し、担任は職員室に戻って行った。

 担任が退室すると生徒達は授業の準備を始めた。

しかし、照は今まで休学していたので学校のカリキュラムを知らないので必要な物が分からない。

 そんな様子を見かねたのか隣の席の女子生徒が話しかけて来た。

「えっと…火野…君、で良いのかな?」

「うん、そうだけど…。」

「今日、復学したばかりで必要な物とか分からないでしょ?」

「そりゃ、まあ…。」

「だから、私の席と貴方の席をくっ付けて一緒に教科書を見て授業を受けましょ。」

「本当に良いのか…?」

「当たり前でしょ、クラスメイトなんだから。これから一年間、同じ教室で学び、成長する仲間なんだから。」

「有難う、その厚意に甘えさせて貰うよ。」

「へえ、結構素直なのね。」

「俺を何だと思っていたんだ。」

「そうね…、得体の知れない同級生…?」

「何で疑問系なんだ。」

 「ま、何でも良いじゃない。少し、イメージと違ってたけど、いい意味で裏切られたわ。私は如月鏡華(きさらぎきょうか)宜しく。」

「ああ、宜しく。…ん?如月?如月…もしかして。」

「ま、それについては後で教えるわ。」

「そうか。俺は火野照(ひのしょう)、改めて宜しく。」

「ええ、こちらこそ。」

それから麗華は簡単にではあるが、他のクラスメイトについて教えてくれた。

担任が教室に戻って来た。

担任が入り、教壇に立ったのを確認すると、男子生徒の学級委員が担任に授業前の挨拶をして授業が1時間目の授業が始まった。

 授業の内容は国内の古代の政権であまり面白くはなかった。

「今回はここまで、しっかりと復習しておくように。」

 授業前と同じ様に男子生徒の学級委員が授業終わりの挨拶をして授業は終わった。

 残りは文学、数学の授業を受けて午前中は終わった。

 昼休み。

「…一緒にお昼食べても良いかな?」と、鏡華が照に話しかけてきた。

「…良いけど…、俺よりも仲の良い友達と一緒の方が良いんじゃないか?」

「その気遣いは有難いけど、必要ないよ。私、実は貴方と同じ中学だったの。」

「そっか…、けど、続きは食べながらにしないか?」

「分かった、そうするわ。」

照と鏡華は机をくっ付けたまま弁当を出して食べ始めた。

「それで、話の続きなんだけど…。」

「ああ、同じ学校って話か。」

「そう。中学の時、私のこと…知ってた?」

「ごめん、知らなかった。」

「そりゃ、そうよね。当時の私はとても影が薄かったし、綺麗でもなかったから…。」

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