番外編5-6 救出…

照はなんとも言えない不思議な感覚の中、付近の水分を操作し、報鳥の顔を含めた全身に送った。

 すると、送った水分と比例して少しずつ痩せこけていた報鳥の顔を含めた全身が良くなっていった。

 「ここは一体…。」

「意識が戻ったのか!」

「照、何でお前がこんなところに…。」

「ま、色々あって俺、が、一人で、助けに来たんだよ。」

「…そうか、ありがとう。それで、ここは何処なんだ?」

 「さあな、よく分からん。が、ここの近くに霞家の別荘の近くにある施設だ。」

 「そうか…、ありがとう。すまないが、この施設の外まで案内してくれないか?」

 「ああ、分かった。歩けるか?」

「…ああ、一応歩ける。すまないが、肩を貸してくれないか?」

 「勿論。それに俺に出来ることなら、どんなことでも協力する。それが本当にどんなことでもな。」

 「ありがとう。」

その後、10分かけてゆっくりと施設から出た。

 出ると、照が施設に入る前に倒した下っ端の姿が綺麗に消えていた。

 (…さっきの奴がここにいた奴等に何かしたのか?いや、考えても仕方ないな。)

照は報鳥を補助しながら近くにある霞家の別荘に向かった。

 と、言っても徒歩で30分〜1時間かかるが。

ゆっくりと歩き、大体1時間半くらいかけて霞家の別荘に着いた。

 「えっと…インターホンは…。」

照は別荘の門前まで来て、インターホンを探した。

 「これか?」

照が見つけたインターホンぽいものはそういう柄に塗装されているのか、分からないが、取り敢えず押してみた。

 (…!良かった、これがインターホンだったみたいだな。)

 別荘から20前後くらいに見える女性が出て来た。

 「…貴方様が照様ですね。黒鉄様より聞いております。中へどうぞ。」

 照と報鳥は霞家の別荘の中に入った。

中はとにかく広かった、小さな家なら入りそうな程の大きさはあった。

 (本当に金持ちは規模が違えな…。)

報鳥は回復に専念しているからか、あまり驚いていなかった。

 照と報鳥は女性の案内で旅館の大広間の様に広い和室に通され、そこには質の良さそうな布団が一つ部屋の中心に置かれていた。

「報鳥様、この布団に横になって下さい。」

「分かった、ありがとう。」

報鳥は女性の言葉を聞いて補助は照から女性に移り女性の助けを借りながら横になった。

 「すまない、照。こんなところに連れて来てくれて、貴女もこんな俺の為にこんな質の良い布団を使わせて頂いて有難うございます。」

「いえ、そんな、感謝等必要ありません。私達は火花お嬢様や黒鉄様より貴方方がここにくるようなことがあればできる限りのおもてなしをするよう言われておりますので。」

「しかし、それでも言わせて下さい。今回ここに来たのは完全に俺のミスですから。」

「いや、そう言うことなら俺の責任だ。俺がお前に情報収集を一任した所為で…。」

「いや、俺の所為だ。照、お前が責任を感じることではない。」

「そうか、分かった。しかし…これからは任務であってもあまり無理はするなよ。」

「分かった、そうするよ。」

「では、後はお願いします。」

「はい、お任せ下さいませ。」

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