番外編5-4 内部探索

その後、照は数十分中を回ったが報鳥が捕らわれている牢は見つからなかった。

 「…ったく、なんたんだここは。広すぎるだろ…。」

その後、更に30分中を探しまわり、普通の扉と同じくらいの大きさの重そうな扉の前に辿り着いた。

 中はだいぶ時間が経っているのが分かる程に埃だらけで照はハンカチで鼻と口を塞いだ。

 そして監視に使っていたと思われる複数の画面と高性能そうなパソコンが漫喫のデスクのようなところ置いてあり、そのデスクの隅に部屋と同様に埃だらけになっている紙を見つけ、埃を紙から落とすとそこには所々掠れているのを少しずつ読んでいった。

 「えっと…なになに…、『よくここへ来た。ここは我々が内装を時間をかけていじって刑務所の迷路のようにした。しかし、迷路の様にしたのは良かったのだが少し後悔した。と言うのも複雑にしすぎたことで作った自分達も迷うことになってしまったからだ。因みに今まで書いたのは読み終えた君が感じるであろう疑問を少しでも少なくする為に書いた。さて、前置きが長くなってしまったが、ここからが本題だ。ここは私達がいじる、もとい改造し、文字通り見た目も効果も変えた物だが、ここにいた者は全員外敵の排除の為に動員され、ここから出て行った。そして、私もこれからこの場所から戦いへと向かうところだ。よって、ここの所有者がいなくなるわけだ。なので、今、これを読んでいる君には新たにここの所有者になって欲しいと思っている。これは君が誰かに譲っても構わないが、強制はしないで欲しい。ここに来たからにはきっと誰かの為に身を差し出すことのできる強い者であろう君はそんなことをしないと思うが、一応書いておく。話を戻すが、君がなりたくないのであれば無理強いはしない。君に強制するなと言う私が君に強制しては本末転倒だろうからな。なので君は取り敢えずでいいのでなって欲しい、君の知り合いに適した者がいればその者に渡せば良いので引き受けてくれることを切に願う。ただ、ここの鍵は私の上司が持っているだろうから上司を倒すか譲って貰えば君は正式にここを引き継ぐことができる。言っておくが、さっき書いたように鍵を手に入れたからと言って強制ではない。仮のここの管理者になるだけなので、安心して欲しい。そして正式にここを譲る場合はその鍵と一緒にこの紙を一緒にその者に渡してサインか判子を押して貰えばこの紙が契約書の代わりになる。

 管理人。

p.sここの所有権を受け継いでくれる者が現れるまではこの紙を見つけた君が持っていてくれ』…か。ま、強制じゃないなら良いか。ここの管理人はまた今度決めるか。」

 照は置いてあった紙を鞄に入れて、再び報鳥の捕えられている牢探しを再開した。

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