番外編5-1 じんわりと…
照は今、北海道で北からの侵略者を撤退させることに成功し、龍牙のいる本部にある龍牙の執務室にやって来た。
「それで…、報鳥のいる場所は分かったのか…?」
龍牙は引き出しから関東甲信を切り取った地図を取り出し、机の上に広げて「ここだ。」と指をさした。
「ここにいるのか?」
「ああ、奴等が自分達で言ってたし、報鳥の部下も同様のことを言っているからね。」
「そうか、分かった。確認なのだが、ここにいるのは間違いないのか?」
「ああ、僕の部下が火花さんと協力して奴等から引き出したんだ。」
「そうか。それで、その時の様子は?」
「…よく分からないが、何かに強く怯える様に全身を震わせながら教えてくれたよ。」
「分かった、ありがとう。」
「行くのは良いが、明日にしてくれ。」
「何故だ?」
「お前なら何の問題もないだろうが、絶対に守りがガチガチの筈だからな。」
「だから今出るな…ってことか?」
「ああ。」
「悪いがそれは無理だ。」と、一言照は龍牙に返すと執務室から出て行ってしまった…。
「…はぁ…、仕方ない。せめて暴れないでくれよ。」
3時間後。
照は本部から徒歩で目的地に向かった。
そこは霞家の別荘から徒歩で40分程の距離にあった。
見た目は少し大きな一軒家という感じでどこか違和感等は感じなかった。
「…ここ、らしいな。」
照の気配を感じたのか建物の中からゾロゾロと下っ端が出て来た。
「…お前、ここに何をしに来た?」
「何って、分かるだろ…?」
「…!ここに捕らえている奴を取り戻しに来たのか。」
「ああ、だから死にたくなければさっさとあいつを連れて来い。」
「断る、折角捕らえているのに渡しては意味が無いからな。」
「そうか…。なら、少し寝てもらおうか。」と、言うと照は威圧して照を囲っていた下っ端の意識を奪い、下っ端はの切れた人形の様にバタバタと連鎖して倒れていった。
その後、照は倒れて道を塞いでいる下っ端を丁寧ににどかしてから歩いた。
「はあ…無駄な時間だったな。福の野郎…さっきの奴等程度で守れると思っていたのか?」
そして施設の入口に辿り着いたが、そこでさっきの奴等よりは強そうなガタイの良い男が出て来た。
「…成程、さっきの奴等よりは強いみたいだな。」
「当然だ、それに後ろの奴等と同じだと思われるのはとても不愉快だ。」
「…けどなあ〜、俺からすればお前もさっきの奴等も強さ的には誤差なんだよ。」
「分かった、教えてやろう。お前の後ろで寝ているのはここの守りをしている中でも最下級の奴等だからなさっきの威圧で倒れて当然なんだ。だが、俺は違う。」
「そうか…試してみよう。」
照はそういうと、全力で威圧した。
しかも、以前のコントロール出来ないものではなく完全にコントロールされているので威力の調節ができるようになったのだ。
それによって少し弱くなっているかも知れないが、この時の照は少々気が立っておりさっきの奴等なら死んでいても可笑しくはない強さだ。
しかし、確かにその男は照の威圧で倒れなかった。
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