第177節 総本部 (共闘討伐編32)
「ああ、悪いが今から僕の言うところに来てくれないか…?」
「まずはどこなのかを言ってくれないか?」
「ああ、そうだな。」
と、電話をしつつ龍牙からその来て欲しい場所の地図をスクショしたものが照の携帯に送られて来て、その地図を見た。
「本当にここに今から行かないといけないのか…?」
「…ああ、出来ればそうして欲しい。」
「…悪いが今すぐは難しい。だから、明日の朝でも構わないか…?」
「…そうか、分かった。なら、明日の10時頃にその送った場所に来てくれ。」
「分かった。」
そして要件を伝えた龍牙は電話を切った。
電話を終えた照はその後、近くの銭湯で心身の疲れを抜き、家で夕食を食べ、軽くシャワーを浴び、床についた。
翌日、9時30分。
照は龍牙から送られて来た場所の目の前に来ていた。
「ここ…で、合っているようだな。」
ここでイケオジという感じの中年くらいに見える男性に声をかけられた。
「照様、ようこそおいで下さいました。」
「えっと…、あなたは…?」
「失礼致しました。私はこれから向かう施設の管理人として龍牙様に雇っていただいた、自田実(しだみのる)と申します。」
「自田さんですか…、こちらこそ宜しくお願いします。」
「それと私のことはさん付けではなく、実と名指しでお呼び下さい。」
「…分かりました。では、これからはそうさせていただきます。」
「では照様中に案内致しますので、ついて来て下さい。」
「分かった。」
そうして照は実と名乗った男性に案内され、通されたのはとても扱いが難しそうな機械や一枚の巨大な画面のある近未来的なアニメに出て来そうな広いところだった。
「えっと…ここは一応、山の麓…で合ってるかな…?」
「ええ、合っていますよ。龍牙様、照様をお連れ致しました。」
「ありがとう、実。君は自分の仕事に戻って良いよ。」
「はい、では失礼致します。」と、実さんは照と龍牙に軽く頭を下げてから退室した。
「いや…、来てもらって悪かったね。君に新しく…いや、やっと完成した僕等の総本部はどうかな…?」
「…なあ、本当にここが総本部なのか…?」
「ああ、そうだ。今、そう言っただろう?信じられないのかい…?」
「ああ、とても信じられない。これはげんじつなのか?それとも何者かに見せられている幻覚なのか…?もしくは俺の夢なのか…?」
「まあ、そういう反応になるよな…。僕も計画を聞かされた時は今の君と同じ反応執事にしたよ。」
「そうか…。」
「それで、この僕等の総本部はどうかな…?感想を聞かせてくれないか…?」
「そうだな…俺はまず驚きと感動が半々でとても言語化できそうにない。」
「それ程気に入ってくれたということで良いのか…?」
「ああ、そうだ。」
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