第176節 北にて…5 (共闘討伐編31)

「君達は何をしているんだ?」

 そしてマライと照の放った2つの炎の玉は敵に直撃せず、黄色い雷にぶつかり爆煙が上がり、敵に直撃はしなかった。

 爆煙が晴れると3人の他にも新たにかなり背の高い顔立ちの良い男が3人の傍に立っており、3人はかなりのダメージを負いながらもその男を守るようにしてマライと照の炎の玉と雷を纏った空壁とのぶつかり合いの余波を受けていた。

 「なんだ…、あの男は…?」

「…事前情報にあんな奴の情報はないぞ?」

「いや…ちょっと待て。アイツ、俺達の攻撃を雷の壁で防いだよな…?ということは…。」

 「そうか…!」

「ああ、お前の想像通り、恐らく奴が事前情報で聞かされていた【ノース・デビル】の頭目、ルーペンだろうな…。」

 「やはりそうか…。」

「君達、僕は何て指示をしたか…覚えているよね…?」

「は、はい。承知しております!この北海道を手中にし、この国を手にする土台にせよ…。と指示なさいました。」

 「うん。なのに、何故まだそれが出来ていないのかな…?」

「も、申し訳ありません!」

「ま、今回は致し方無し…ってことにしておくよ。紫の方はともかく、紅の方は僕でも1対1で勝つのはかなり骨が折れるだろうからね…。」

 ここでマライと照は顔立ちの良い男と3人のところに歩いて近づいて来た。

 そして照が顔立ちの良い男に問いかけた。

「貴様は【ノース・デビル】の頭目、ルーペンだな…?」

 「…よく分かったね。その通り、僕がルーペンだ。まさか、僕の相手相手までするつもりなのかな…?」

 「…そっちの答え次第だな…。」

「今、そっちと戦うつまりはない…。」

 「そうか…。なら、さっさとこの北の地から撤退しろ。」

 「言われずともそうする…。」

と顔立ちの良い男が言うと3人がフラフラと覚束ない足で立ち上がり、そのまま男は3人を連れてこの場から去っていった。

 2人は男達が去ってから戦闘形態を解いた。

「そんじゃあ、俺は帰らせてもらう。」

「ああ、じゃあな。」

マライは一言照に断りを入れてから去っていった。

 「さて…俺は…、避難しているであろう鉱己達を回収して北海道・東北本部に戻るとするか」

その後、照は照、マライと敵5人との戦闘場所を後にして避難しているであろう鉱己達を回収して北海道・東北本部に戻った。

 そして現在…

照は鉱己の家で数日休息を取ってから自分の家に帰ってきた。

 「…やっぱ、自分の家は落ち着くな…。」

ここで龍牙から電話がかかって来た。

 「ん…?龍牙から…?何か急用か?」

「…落ち着いて聞いて欲しい。」

 「…ああ、分かった。それで…?」

「ああ、悪いが今から僕が伝える場所に来てくれないか…?」

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