第172節 北にて… (共闘討伐編27)

「ああ。」

 「では失礼する。」

龍牙達、会談会場にいた者達はその施設を後にした。

 少し時間を遡り…

本部への襲撃を撃退した翌日、龍牙の執務室。

 「照、君、鉱己のところへ援軍に行ってくれないか…?」

 「…俺は今、高校生でしかも入学したばかりなのにできる訳ないだろ。」

「それは気にしないでくれ、僕が君の通っている学校に話を通しておくから…。」

 「…分かった、向かおう。」

「ありがとう、宜しく。」

 こうして照は鉱己が支部長を務める北海道へ向かうことになった。

 移動代等の費用は全て龍牙がくれた分でこと足りたので自分の金を使うことはなかった。

 5日後、夕方、鉱己の家。

鉱己は冷や汗をかきながら、口を開いた。

「あの…照さん、援軍は貴方だけなのでしょうか…?」

 「不服か…?」

「いえ…、これ以上ない最強の援軍ですが、聞いたところによると九州の方には関西支部から数十人を援軍として送ったという話を耳にしたので…。」

 「…なるほど。じゃ、簡単に九州の援軍が大人数だったのかを説明しよう。」

  照は本当に簡単に鉱己に何故九州の援軍は人数が多かったのかを説明した。

 「と、言うわけでこっちには俺だけなのだが理解したか…?」

「はい。」

「だが…俺は基本、お前達のサポートだ。それは理解しているな?」

 「はい。」

「ならば良し、現場には明日の夕方頃到着で良いか…?」

 「はい、それで構いません。」

「そう…分かった。じゃ、俺はお前の兄貴が使っていた部屋を借りて寝ることにする。」

「分かりました、おやすみなさい。」

 翌日、早朝。

「それじゃ、行こう。」

「はい。」

照は鉱己の案内で現場に向かい、予定より少し早く現場に到着した。 

 その現場は分かってはいたが、想定以上の場所で一言で言えば辺りは血の海になっており、正にカオスという感じのところだった。

「こりゃあ酷いな、大分やられてるな。」

「はい…、敵の方が強く…苦戦しています。」

「…!なあ、あそこにいる異様な気配を放っている奴も援軍なのか…?」

 「…はい、照さんがこちらに来る2日くらいまえから来ているのですが…少し…いや、かなり問題のある人ですが実力は本物です。」

 「分かった、それじゃあ、俺はそいつのところに向かおう…。」

「気を付けて下さい…!」

「分かっている。」

 照は異様な気配を放っている奴のところへ敵を薙ぎ払いながら向かった。

 向かったところには敵を凄まじい勢いで倒していく姿があった。

 「…成程、言われるだけの戦闘能力はあるようだな…。」

 「…アンタ、何者だ…?」

「ま、お前と同じ援軍だよ。」

 「そうか、お互いサッサと片付けようぜ。」

「ああ。」

  こうして照と異様な気配を放つ男は互いに離れてから敵の掃討を開始した。

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