第171節 秩透会談 (共闘討伐編26)
「そ、それは…」
「君自身、分かっている筈だ。この危機的状況下では共闘しないという選択肢は愚策だと」
「…。」
「そして…もし、自分が盾になれば共闘しなくても良いと思っているならそれは唯の馬鹿としか言えない。」
「…!し、しかし…」
「確かに…、奴等のことだ戦闘等の混乱に乗じて我々の仲間が拐われるリスクは当選あるだろう。それでもこの共闘の申し出を受けるべきだと僕は思っている。」
「私はそれでも…」
「…。」
「いえ、何でもありません。」
「まあ、貴方が思うように仲間は大切でしょう。だから、貴方は態々そんなリスクを冒してまで奴等と共闘するメリットはないと思っている…そうでしょう?」
「…。はい、その通りです。」
「まだ、納得できていないようだから、簡単に言おう。我々の仲間が拐われるかも知れないというリスクを理由に共闘を反故にすることは出来ない。それに今の危機的状況においてはリスクは二の次だ。納得してくれたかな…?」
「はい、分かりました。」
九は龍牙の話を聞き、渋々納得して共闘することに賛成した。
「それじゃあ、共闘の話を受けるということで。解散…!」
5月末、町田市内、某所。
「それで、そんなに部下をぞろぞろと連れて何をしに来た…。」
「…何って、話し合いだよ。前に共闘して欲しいって言ったでしょ?」
「だったら、部下に威圧をやめるように言ってくれるか。このままじゃあ、話し合いなんて始められないからね。」
「…ま、良いか。分かった、お前達威圧を止めるんだ。」
福の指示で部下達は威圧を止め、そのまま部屋から退室して行った。
「…それじゃあ、僕も…。」
そしてそれに対応して龍牙も警戒レベルを下げた。
「…さて…と、話に入ろうか。」
「ああ、僕達はそちらからの共闘を受けることで一応纏まっている。が、そちらはしっかりと遵守する気があるのかをこの場で判断させてもらう。」
「それで良いよ。こちらも勿論共闘を持ち掛けたからにはまっとうするよ。だが、僕は出ないよ。」
「…何?ふざけているのか!こちらはかなりの危機感を抱いて最強の男を北の現場に送ったというのに…!」
「そう声を荒げないでくれ。こちらも問題はあるが実力のある者をそちらの最強と同じところに送っているから…。」
「…率直に聞くが…その実力者は僕等の邪魔はしないんだな…⁈」
「それは問題ないよ。向かわせて奴にはキツく言っておいたし、そいつはぼくの命に対しては従順だからね。」
「そうか、分かった。取り敢えず共闘するからには信用しよう。だが、そっちの勝手な行動でこっちに影響が出るのはごめん被る。これだけは覚えておくんだな。」
「分かった、覚えておこう。で、結局共闘してくれるということで良いのかな?」
「ああ。」
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