第170節 思案会議 (共闘討伐編25)

「そう、そしてその敵対している組織のトップから共闘して欲しいという話が本部にあったらしいわ。」

「…本当ですか⁉︎」

「…ええ、本当ですよ。ですから、近いうちに受けるか否かを決める会議を開きたいというのが本部の龍牙さん、我々のトップの考えでしょう…。うん、了解。」

「何か緊急の用でも…?」

「いえ、そうではないわ。今、本部から今話していた会議の日程が明日でも良いのかという通達が来たの。」

「…成程。こちらは構いませんが、そちらはどうしますか…?」

「勿論、YESと返答するつもりよ。」

「そうですか…。では、こちらの答えもこのテレビ電話の後で一緒に龍牙様に伝えて頂けませんか…?」

「了解、伝えておくわ。」

「ありがとうございます。」

「ではこれで失礼するわ。」

千癒はテレビ電話を切った。

 関西支部、千癒の執務室。

「…龍牙さん、さっきの話なのですが…。私と福本支部長は問題ありません。」

「そう…、なら…、会議の開始時刻は午前10時で良いかな…?」

 「はい、それで構いません。」

「それじゃ、決まり。」

「はい。」

 翌日、指定の時間。

「全員揃ったようだね。始める前に一つ言っておくよ。照くんは僕から北に行って欲しいと言って行ってもらったし、彼が通っている学校にも僕が上手く説明して休学扱いにしてもらったから。今言ったことを理解した上で会議を始めようか。」

 会議に参加している者は全員画面越しで参加している。

 「それでは会議を始めよう。議題は共闘の話を受けるか否か。意見のある者は遠慮なく言ってくれ。」

 口火を切ったのは千癒だ。

「私は正直受けるべきだと思います。」

「ほう…、何故?」

「正直、今の私達の戦力では2つの外敵を倒すことは困難であり、私達が力を蓄えている間に国内がボロボロになるのではと思います。」

「…ふむ、その意見は最もであり、僕も同じく共闘を受けるべきという考えだ。」

 「私は反対です。そいつらは間違いなく我々を利用する為に共闘を持ち出してきた筈ですし、我々の仲間が戦闘に乗じて拐われるリスクを冒してまで共闘する必要は無いと考えます。」

「成程、福本支部長、君の考えは理解できる。確かに、そのリスクはある。しかし、今は内側で戦り合っている場合ではないんだ。外の人間に支配されては元もこもないんだ。わかってくれ。」

 九は龍牙の説明を受けても尚、理解はできるが、納得は出来ないというような様子だ。

 「…じゃあ聞くが君は何故我々の組織に入ってんだ…?」

 「それは勿論この国の治安を良くし、秩序を維持する為です。」

 「良いかい?君のその願いは今の危機的状況において優先すべきことなのか…?」

 「そ、それは…」

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