第167節 本部で…6 (共闘討伐編22)
「何もないか。なら、これで終わりだ。」
龍牙は鎧に風を纏った脚で男を思いっきり、蹴り飛ばした。
「…ガハッ…。」
男は出血しながら後方へ5メートルほど吹っ飛んだ。
そして、龍牙と凍士は自分のことを終えたあと2人は合流したその場から龍牙の戦闘をみていた。
「師匠、僕は龍牙さんのようになれるとは思えません。」
「正直に言おう。凍士、お前は龍牙になることは出来ない。」
「…はい。」
「だが、諦める必要はない。何故なら、お前は龍牙のような存在になることはできるからな。」
「そうですよね…。なんか…、勝手に落ち込んで馬鹿みたいですね、僕…。」
「…ま、お前の頑張り次第で龍牙を超える可能性だってあるんだ。だから、しっかりと龍牙の戦いを見届けるんだ。」
「はい。」
男を思いっきり蹴り飛ばしたものの、龍牙は満身創痍の状態でゆっくりと慎重に近づき確認をした。
そうして近づくと、男は龍牙との戦闘のダメージの蓄積と風の追撃による出血によって瀕死の状態ではあったものの、生きていた。
(こ、こいつ、まだ息があるとは、凄まじい生命力だな。)
そこに男の仲間と思われる女が現れた。
「…貴方、大丈夫なの…⁈」
「…大丈夫な様に見えるか…?」
「…いえ、思わないわ。」
「なら聞くな、俺はこうして喋るだけでも身体中に痛みが走るんだから。」
「それは失礼したわ。それじゃ、さっさとここから離れましょうか。」
照は龍牙達のいるところへ突風と共に一息で移動し、凍士の武器を敵2人に向けて言った。
「…お前達、唯の侵略者じゃないな、何者だ…?」
「そうね、どうせ戦うことになるでしょうし、教えてあげるわ。私達は四統(しとう)、よく覚えておきなさい。」
「…ほう、大層な組織名だな。」
「…どうとでも言いなさい。近いうちに分かるでしょう、私達の組織名が伊達ではないということがね…。」
と、女が言うと女は倒れている男を拾い上げて颯爽と去って行った。
照は敵2人が去って行ったのを確認した後、凍士を手招きで呼び、そして持っていた武器を解除してもらった。
「…流石ですね、龍牙さん。僕ではあの男に勝てたとは思えません。」
「そ、そうか。一番弟子の君にそう言われて悪い気はしないね。」
照は身体がボロボロの龍牙を支えて本部に戻る中で周りをみると周りの地面は所々抉ぐれていてり、盛り上がったり、変形している状況を見て…「それにしても…これは酷いな。」と一言呟いた。
「…そうだな。やはり僕はまだまだ君に及ばないな。」
「そんなことはない、俺もさっきの敵には苦戦必死だっただろうからな…。」
「そうか、じゃあ…、少しは君に近づけたってことかな…。」
「…ああ、この切羽詰まった状況で言うことではないと思うが、俺はお前をライバルの様な存在だと思っているんだ。」
「はは、ありがとう。僕の誇りにさせてもらうよ。」
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