第165節 本部で…4 (共闘討伐編20)

敵に衝撃刃があたり、煙が上がった。

 煙が晴れると1人の男を除いて戦闘不能になっていた。

 戦闘不能にならなかった男は周りの地面を操作し、亀の甲羅のようにして自分を守っていた。

「…あれは、一体…?」

「…っぶなかったぜ。」

「…お前等、一体何者だ?」

「…そんなこと、言うわけないだろ。」

「そうか。それで…、こっち側に着くつもりはあるか?」

「…何を言っている?」

「言葉どおりだが?」

「…断る。」

「そうか…残念だ。」

 龍牙は貫手にした右手にエネルギーを溜めて、一定に溜まると両脚で地面を力強く蹴り、男に向かって走り、亀の甲羅のような地面に近づくと、エネルギーを溜めて、雷を纏った右手の貫手を勢いよく前に突き出した。

 「雷・刺龍〈いかずち・しりゅう〉!」

雷を纏った龍牙の貫手は硬い物を壊すような『バキ…バキバキ…』という音をたてながら破壊し、男の守りを突破した。

 守りを突破された男は驚きの顔をしていた。

龍牙は驚きの顔をしている男の体を雷を纏った右手の爪で右肩から左腹までを切りつけた。

 が、男は服が破けただけで殆ど出血しなかった。

 「…今の距離なら出血するはずだ、何故…、ん?これは?皮?ということは…。」

「そう、今のお前の爪撃は俺の不要な皮を剥がしただけだ。」

「ということは…」

「そう、お前は俺の皮を剥がしただけってことだ。俺からすればありがたいことだがな、毎回毎回古くなった皮を剥がすのは面倒だった、感謝するよ。」

 「やはり…お前、只者じゃないな。」

「…よく、分かったな。いや、この状況で分からなければ阿呆か馬鹿のどちらかだ。」

「…ま、僕はそのどちらでもないけれど、お前が強いということは分かる。良ければ教えてくれないか…?」

「…戦闘中に質問とは余裕か?それとも自分が死ぬと思って、冥土の土産に…ってことか?ま、どっちでもいいことだが…そうだな…一つだけ教えてやろう。俺は自分が属する組織の中で実力は2番目だ。」

「そうか…僕もだ。ついでに聞くけど、退くつもりはあるかい?」

「…退かない。それに、退く必要がないからな…。」

「そうか…仕方ない。第2ラウンドと行こうか。〈ドラゴ・アーマー〉改!」

「ほお、中々の戦闘能力の上昇だ。これは俺も応えなくてはな。」

男は「亀鎧〈きがい〉!」…と一言言うと男の体に亀の甲羅の模様の鎧を纏った。

 「その鎧は…?」

「これか…?これはそうだな…これは、亀鎧〈きがい〉と言う。これは俺の能力を高く理解し、それに体と精神が追いついた結果だ。」

 「そうか…、これは楽しくなりそうだ…♪」

2人は3メートル程の距離を歩きながら集中力とえねるぎエネルギーを高めた。

 そして、一定量になると振り返り、勢い良く地面を蹴り、互いの拳のぶつかり合いを合図として戦闘を再開した。




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