第159節 不穏 (共闘討伐編14)
そして士が到着した。
「なんだこいつ?」
「よく分からんが通達されていないんだ。大した奴じゃねぇだろ、やっちまえ!」
残っている刺客達が一斉に士に向かってきた。
「…はあ、馬鹿な奴等。」
「空烈斬。」
向かってきた刺客達は見えない何かによって胴体が上下綺麗に切られて倒れた。
「はあ。全く、貴方は相変わらずね。」
「今回はいいだろ、事態が事態なんだからよ。」
「それもそうね。それに…運良く、誰1人傷付かずに倒せたことだし…。さっさと進みましょう。」
「ああ。」
・
新幹線の中にて。
「こう…上手く言葉に出来ないが、不穏な感じがする…。」
「士さんもですか…、実は僕もそう思っていたんです。」
「貴方達も?」
「ということは桜さんもですか…?」
「ええ、不穏な感じがするの。」
「…この不穏な感じが何を指しているかは分かりませんが、僕の予想では強者ではない別の何かではないかと考えています」
「そうか…。手合わせでは私と桜は1対1では勝負になりませんでしたが、2対1なら勝負になりますかね…?」
「どうでしょう…?僕個人の考えではかなり良い勝負になると思いますが。」
「それはよかった。因みにあのお人、照さんはどれほどの強さを持っているのか分かりますか?」
「どうでしょう?僕も照さんの全てを見たことはないのでハッキリとは言えませんが…恐らく、龍牙さん凡そ1.5〜2倍はあるのではないかと…。」
「それほど…、ですか…?」
「僕はそれほどの強さがあっても不思議ではないと思っています。」
「それほどの強さがあるのであれば、来てもらった方が良いのでは…?」
「…今、照さんからメールが。」
「なんと書いてありますか?」
「えと…、『俺は幼馴染の救出へ行ってくる。なので、俺はお前達の手伝いに行くことが出来ないが、無理はせずに、何かあれば龍牙さんに連絡してくれ。あの人は無意識のお人好しだから、きっと手伝ってくれるだろう…。』だ、そうです。」
「そうか…残念だ。因みにその…、龍牙さんは強いのか?」
「ええ、強いですよ。能力の向上の方法は聞いていますよね?」
「もちろん。能力への理解度の上昇と身体が能力と馴染む程に上がる、でしょ?」
「はい。そして、龍牙さんは初めて会った時、僕を含め、照さんを除いた誰よりも理解度が高かったです。」
「ということは…」
「はい、強かったです。その時の照さんをある程度ダメージを与える程には…。」
「そうか…」
《まもなく…福岡、福岡…》
「そろそろ降りる準備をしようか。」
「はい。」
「そうね。」
俺達は福岡駅を降りて九州支部を目指して歩きだした。
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