第158節 出発 (共闘討伐編13)
こうして援軍に加える者は物一に決まった。
数週間後、関西支部。
「…では九州へ向かう援軍は士を指揮官、物一くんが切り札、これに反対の者は?」
派遣メンバーの1人が疑問を呈した。
「この2週間余りで物一さんの実力は十分すぎる程に理解しましたが、物一さんは今回が初めての戦闘なのですよね…?」
「ええ、そうよ。それがなにか…?」
「正直、かえって邪魔になるのでは…と」
「その心配はないわ。」
「何故なのでしょうか?」
「それも含めて彼は照さんから鍛えられたからよ。」
『…‼︎』
「本当ですか⁈」
「ええ、本当です。正直、戻りたくはないですね…リアルでは実践、夢では現実的すぎるイメージトレーニングと休みらしい休みはありませんでしたから…。」
聞いていた士をはじめとする援軍の面々はとても引き攣った顔をしていた。
「分かったでしょう?彼が問題ないということが。」
部下達全員が頷き、納得したようだ。
「全員、納得したようなので、出発の確認を行います。出発は夕方、日が沈み初めてから、ここまではいいわね?」
全員が頷く。
「次に移動は公共交通機関を使います。従って、荷物は最小限に抑える、宜しいですね?」
全員が頷く。
「では、また時間になったら集まって下さい。」
数時間後。
「全員揃ったようですね…。」
「はい…。千癒支部長のお言葉だ、お前等、よく聞いておけ!」
『はい!』
「聞いたところによれば…、九州の支部長がここや中部支部ではなく、本部に救援を求めに行ったそうです。なので、強力無比な個人がいる可能性があります。なので、慎重に慎重を重ねて警戒して下さい、宜しいですね…⁈」
『承知致しました!』
「では…出発!」
援軍は複数の数人規模のグループに別れて出発した。
と、言っても少し間を開けているだけで一番前のグループに自分士、ど真ん中のグループに桜、そして最後のグループに物一という布陣だ。
正直、どこに奇襲を仕掛けられても返り討ちにできるか可能性が高いと自負している。
同日、夜。
「敵襲ー!」
「「「!」」」
(早速か…)
「どこだ⁉︎」
「前方から4つ目のグループです。」
「そうか…、ということは…。」
「はい。今、桜さんが中心となって応戦しております!」
「分かった。お前は最速で桜に敵の正面になるように体を向けて、円になるように伝えてくれ。」
「承知しました」
俺は千癒様と龍牙様に電話で事情を説明した。
その間…。
桜達は20以上は確実にいるであろう刺客達と戦っていた。
「大木槍〈ウッドランサー〉!」
「ぐあっ!」
「連刀木撃!」
「バババババッ!」
桜は木の短刀を数人の刺客に向かって飛ばし、刺客達は胸に刺さり倒れた。
そして桜の部下達も数人を相手に戦い、士の命を受けた部下が桜の元に着く頃には三分の一程度に減っていた。
部下は桜に士の伝言を伝えた。
「分かったわ。貴方達、まだ死角がいるかも知れないから体を外に向けて円を作りなさい!」
桜の部下達は指示を聞いてから素早く言われた状態を作った。
そして士が到着した。
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