第157節 検討 (共闘討伐編12)
そして場所は変わり…。
「そうか、分かった。選定はこちらで行おう。」
龍牙は童からの通話を終了した。
その後、自身が知る限りの強者を数日かけて集めた。
・
更に数日後、龍牙の家の会議室。
「今日、君達に集まってもらったのは君達の中から1人、関西支部からの援軍に加わってもらいたいからだ。」
龍牙の説明を聞いて口火を切ったのは凍士だ。
「龍牙さん、貴方はここから離れられない。そして、師匠も同様に向かわせる訳には行かない。だったら…ということで10貴士の中でも戦闘向きの能力を持つ僕等の中から出すってことですよね?」
「そういうことだ、理解が早くて助かるよ。だが、今回に関しては既に僕の中で決まっている。」
この言葉に反応したのは火花だ。
「なら、何故私達を集めたのかしら?」
「僕がこれから発表する者が相応しいかどうかを君等にも判断して欲しくてね。」
「そう…、だったら相当な実力があるのでしょうね…⁈」
「ああ、勿論。僕は今回の戦いがその者にとっての初陣だが、それでも問題ないと思っている。」
会議室に張り詰めた空気が流れる…。
「今回…援軍に加わるのは…、物一くんだ。」
『…はぁーっ⁈』
「というか、なんで物一あんたも私達と同じリアクションしてるのよ。もっと、張り切りなさいよ。」
「いえ、信じられなくて…」
「龍牙さん、本気で言ってるんですか?」
「勿論、本気だよ。」
「確かに物一は実力はあるし、照さんのところで一緒に修行しましたが、圧倒的に経験不足です!」
「それはそうかも知れないが、これは照くんもこの人選には賛同している。」
「師匠がっ⁈」
「そう。凍士くん、君が崇拝している師匠、照くんも物一くんの初陣は少々大きな壁がありそうな今回が相応しいと言っていたよ。」
「そうですか…、僕は賛成します。」
「凍士、貴方正気?照の戦闘狂がうつったんじゃない?」
「うつっていませんし、そもそも師匠は戦闘狂ではありませんから!」
「そう…?彼…、龍牙と闘っていた時、とても楽しそうだっだけれど…?」
「はぁ…。火花さん、貴方、師匠の彼女でありながら全然分かっていませんね…師匠はルールのある試合で全力を尽くせるような“闘い”は好きですが、言葉通りの殺し合いの“戦い”は好きではありませんよ。」
「あら、そうなの…?それは失礼したわね。」
龍牙は咳払いをしてから…
「2人とも…話を戻してもいいかな…?」
「すみません。」
「どうぞ。」
「それじゃあ、話を戻して…まぁ、理由は色々あるが…、危機感のある任務を初陣にしようというのは僕が提案して、照くんも認めてくれているんだ。反対意見はあるかな?」
龍牙は周りを一通り見回してから…
「ない…ってことでいいかな?」
全員が頷いた。
「じゃあ、物一くん君が援軍に加わってくれ。」
「分かりました!できる限りを尽くします!」
こうして援軍に加える者は物一に決まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます