第155節 修行道中4 (共闘討伐編10)

「黒。貴方はこの国に危害を加えようと暗躍している奴等の仲間なのか?」

 「…違う。」

「そうですか。それで、そのドス黒い気配を放つのをやめてもらえませんか?」

 「…?」

「その様子だと、無自覚みたいですね。」

 「…しかし、どうやって…?」

「そうですね…伝わればいいのですが…。

こう…なんと言うか、自分の欲や思考を薄く、弱く、浅くするようなイメージらしいです。」

 男は童の言葉に頷き、早速試し始めた。

男から出ているドス黒い気配をは少しずつ弱くなり…気になりづらい程度になった。

 「どうだろうか?」

「成功だと思います。」

 「ありがとう。」

「すみません。余計なことだったかもしれませんが、気になったのでつい。それでは僕等はこれで、失礼します。」

 2人と男は互いに軽く会釈を交わして、別れた。

 「今日はもう暗いので、この宿に泊まりましょう。」

「はい、そうしましょうか。」

2人は宿に入り疲れを抜き、癒した。

 そして翌日、昼。

2人は千癒のいる大阪某所の少し大きめの家の前に来た。

 「ここが関西支部…なのでしょうか?」

「…渡された画像と位置情報的にここで合っているはずでずが…。」

 「…とても支部には見えない。」

「ですね…。」

 「お前等は何者だ!」

「…これは失礼いたしました。僕は河村童(かわむらどう)。そしてこちらは…」

「私は女無癒天(めなしゆめ)ここの支部長とは知り合いなの。」

「…そうですか。連絡はされているでしょうか?」

「恐らく、上司から連絡が入っていると思います。」

 「では、その上司の名前を…。」

「天津龍牙(あまつりゅうが)。」

「承知しました、確認して参りますので少々お待ちください。」

        ・

「確認が取れました。どうぞお入りください。」

 2人は20いかないくらいの青年の案内で地下3階にある会議室に通された。

 「千癒様、連れて参りました。」

「ありがとう。でも…貴方、このお二方に何か危害を加えようとした⁈」

「い、いえ!そんなことはしておりません!」

「そう、ならいいわ。ありがとう、自分の仕事に戻りなさい。」

 「はい、それでは失礼します!」

青年は一礼してから会議室から退室した。

 「さて…と、貴方方お二人が龍牙さんに頼まれてここに来たことは龍牙さん本人から聞いているわ。それで、どんな用なのか教えていただけるでしょうか。」

 「はい、事態の悪化を少しでも早く防ぐ為にも直球で申し上げます。龍牙様は貴方が支部長を勤めるここ関西支部から九州支部へ援軍を送るようにとのことです。」

 「なんとなく分かってはいたけど…やはり、龍牙さんは行動が早いわね。こちらは昨日九州でのことを聞かされたというのに…。分かりました、事態が事態それに戦争に等発展すれば否応なく私達は徴兵されて、前線で戦うことになるでしょう。なので、引き受けます!」

 「ありがとうございます!」

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