第154節 修行道中3 (共闘討伐編9)

それから目一杯時間を使って歩を進め、夜8時頃には愛知県に入った。

 そして近くにあった民宿に泊まり、心身のダメージと疲れを癒した。

 翌日、朝。

童と癒天は民宿を出て歩き始めた。

 「…河村さん。すみませんが、私のエネルギー量を測ってくれませんか?」

「測る必要はないと思いますが?」

「いえ、自分では強くなっているのかどうかが、よく分からないので、教えていただければ…と。」

「なるほど、分かりました。ですが、それは昼食の時にしましょう。」

「はい。」

        ・

2人は昼食を取りながら…

「…」

「どうですか…?」

「…貴女の最初のエネルギー量を知らないのでハッキリ言うことは出来ませんが…、恐らく上昇していると思います。」

 「そうですか…良かった。」

「では、僕もお願いします。」

 「。。。!上昇しています。少しですが上昇しています。」

「…そうですか。…!何で僕の戦闘能力が上昇しているとわかるんですか…!」

「それは簡単なことです。私は貴方の戦闘能力を測ってから合流したからです。

(そんなことしてたのか…)

「そうでしたか…それで、貴女は自身を守ることに自信はつきましたか?」

「…はい、ほんの少しですけれど。それにしても自身と自信て親父ギャグか何かですか…?」

「そんなつまりでは言っていませんよ。さて、食べ終えたことですし、そろそろ出発しましょうか。」

 「はい。」

その後、童と癒天は何度か奇襲や狙撃にやる命の危険に晒されながらもその尽くを能力を使わずに回避、返り討ちにしながら歩みを進めた。

 そして、2人はこの日初めて強くなっていることを実感し、日が沈む頃には京都府に入った。

 「…今、実感しましたよ。自分が強くなっているってことが。」

「私もです。最も、私は攻撃力が上がっているとは微塵も感じませんけれど。」

「それでいいと思いますよ。身を守れるようにって言われて僕と行動を共にしたのですから。」

 「「…。」」

「分かりましたか。」

「はい。この気配、昨日と同じ…」

「…そうです。」

「…何人か知らないが、ここは現代のこの国において最も歴史ある自治体なので…その明らかな敵意と殺気、そしてそのドス黒い何かを放つのをやめてください。」

童が話しかけた先には何人かまでは定かではないが明らかに大陸の人間であろう男が歩いて来ていた。

 「…」

男はキョロキョロと周りを見回してから…『自分?』と、顔に指差して童と癒天に目線を向けた。

 2人は男に向かって相槌を打った。

男は2人に向かって歩き、言葉が聞こえる程度に近づくと止まり、2人をじっ…とっ見つめた。

 「貴方は何者?」

「…そうだな…、黒。とだけ今は答えておこう。」

 「黒。貴方は、この国に危害を加えようと暗躍している奴等の仲間なのか?」

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