第152節 修行道中 (共闘討伐編7)
童顔の男は龍牙の副官から龍牙の家を出る前に徒歩で向かうよう命を受けたので、徒歩で大阪に向かっている。
今は静岡に入ったところだ。
「…護槍さんに『能力を使わず、徒歩で関西の支部に向かえ』と言われてその通りにしているが、今のところ全く効果が出ているとは思えないが、まぁ、あの方々が言うからには何か意味があるのだろう。」
童顔の男が歩いていると背後から誰かが近づいてきた。
「…これからよろしくね♪」
「…?癒天さん!どうしてこんなところに…⁈」
「私も貴方に付き添って修行しろって、照さんに言われたから。」
「そうでしたか…。しかし、貴女は支援型の能力者ですよね?修行する必要があるとはおもえないのですが…。」
「でも、照さんが言うに…『支援型が前線に出ることはあまりないとは思うが、最低限、自分の身を守れる術は身につけておけ』だそうなので最低限、身を守れるように修行しろってことだと思ってるの。」
「そういうことですか。なら、一緒に頑張りましょう。」
「ええ、宜しく河村童(かわむらどう)さん♪」
「なんで僕の名前を…?」
「龍牙さんに教えてもらったのよ。『今回の旅の相方だから、教えておく』…ってね。」
「なるほど、それで…」
「河村さん。日も沈みかけているし、今日はこの宿に泊まりましょう?」
癒天が指差ししたのは日本家屋のかなりの老舗旅館ぽかった。
「…ここですか?高そうですけど…」
「問題ないわ。私、龍牙さんからそれなりに貰ってるから。」
「そうですか。なら…」
童と癒天は日本家屋の宿に入り、食事と温泉で心身の疲れを癒した。
早朝、癒天と童は宿をでた。
そして昼頃。
2人が昼食を食べ終えて飯屋から出ると見た感じガラの悪そうな外人、複数人が童と癒天を囲んだ。
「(明らかに日本人じゃないな。)あんたらは何者だ?」
「言う必要ねぇな。」
「…分かった。で、要件は何だ?」
「まぁ、そう急かすなよ。それは俺達についてくれば分かる。だからついてこい。」
童と癒天はアイコンタクトで会話し、示し合わせてからついて行った。
外人複数人についていくと狭めの空き地にガタイの良さそうな男が立っていた。
「兄貴、連れてきました。」
「…ふむ、強そうだな。だが、何故そんな弱そうな女までいるんだ?」
「す、すみません!この女も使えるのではと思い、勝手ながら連れてきました。」
「そうか。それじゃあ、本題に入るか。お前等2人俺達の仲間にならないか?」
「…そんな提案をするからには何か僕等にメリットがあるんだろうな…?」
「…そうだな、俺達の仲間になれば今よりも力が手に入るぞ。」
「悪いけど、興味ないね。それにそういうことは間に合っている。」
「そうか…なら死んでもらうしかないな。」
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