第148節 デート3 (共闘討伐編3)

そして俺達はオシャレな店を出て移動した。

 「体を動かすとは言ってたけど…、何でゲームセンターなのよっ!」

「えっ…?楽しくて、運動になるんだから一石二鳥…だろ?」

「いやいやいやいや…、他にもあるでしょ。公園とか室内アスレチックとか…」

「…そうか!盲点だった…。」

 「でも、これはこれでいいわ!」

(…言葉遣いは兎も角、やっぱり火花もいいとこのお嬢様なんだな…。)

 「…ちょっとついてきてよっ!私こういうところ初めてなんだから、教えて!」

 「そうだな…どういうのがいいとか、リクエストはあるか?」

 火花は照の質問に少し考えた後…

「簡単なやつっ…」とだけ答えた。

「簡単なやつか…そうだな…!これなんてどうだ?」

「…何これ、卓球?じゃなさそうだし…何これ?」

「コレか?これはエアホッケーと言ってな、判子みたいなものが2つあるだろ?」

 「ええ…。」

「それと、持ち手のない同じくらいのやつがあるだろ…?」

 「あるわね…、それでどうやって遊ぶのよ?」

 「ここからは遊んでみる方が説明するより簡単だからな。」

 「分かったわ。」

俺はエアホッケーに100円を一枚入れた。

 「…何か涼しいわね。」

「台に手を置いてみろ。」

「…下から風が出ているわね。」

「そ、この下から風が出る台でホッケーができる。」

「だから、エアホッケーなのね。」

「そういうことだ。それじゃ、おまえが先攻で始めようか。」

 「(多分、あそこの薄長方形の穴にこれを入れればいいのよね…)分かったわ。」

        ・

「本当に初心者か?」

「初心者よ。」

(嘘だろ…めちゃ、上手いじゃねえか。)

「…貴方が上手いから、私もやってるうちに上手くなったんだと思うわ。」

 「そうか、それは良かった。」

「やっぱり最初から勝てはしないか。」

 「そりゃ、そうだろ。お前に一発目から負けてちゃあ意味ないしな。」

「それもそうね。じゃあ、もう一回やりましょ。」

「まぁ、待て。他にもゲームはあるんだから、他のもやってみた方がいいだろ?」

 「それもそうね、折角ゲームセンターに来たんだものね。」

 「そういうこと。次にやるゲーム、選んでいいぞ。」

 「良いの…⁈」

「ああ、勿論。」

火花は俺の手を掴んでゲームセンターの中を歩き、選んだ。

 「これがいいわ!」

火花が選んだのはレースゲームだ。

 「なんでこれなんだ?って顔ね。」

(…顔に出ていたのか?)

「顔に、出てたわよ。」

「ホントか?俺は分かりにくいと思うんだが…。」

「分かるに決まってるでしょ!私は貴方の彼女であり、同じ中学校の先輩なんだから。」

「そういうモンなのか…?」

「そういうモンなの。」

「そうか、凄いな。それで、何でこれにしたんだ?」

 「大した理由はないわ。私の家に家庭用ゲームの同じものがあるし、これも楽しそうだったから。」

「そうか、それでやり方は分かるか?」

「何となくだけど分かるわ。」

 「それじゃ、やろうか。」

 

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