第149節 デート4 (共闘討伐編4)

「それじゃ、やろうか。」

俺と火花は好きな席に座り、金を一枚投入してゲームをした。

 「…やられた!」

「してやったりだ♪」

「…負けたー!」

「私の勝ちだな♪」

 「それじゃあ、次のゲームにするか。」

「まだ、あるの?」

「ああ、これだ。」

「これは知ってるわ。クレーンゲームってやつでしょ。」

 「そうだ、やったことがあるのか?」

「いえ、ないわ。」

「なら…いや、聞くべきじゃないな。操作方法は分かるか?」

「ええ、分かるわ。」

「そうか。なら、早速やってみよう。」

 火花は金を入れて、クレーンゲームをプレイした。

 「…お。」

「…ここ!」

「…惜しい!」

火花の操作したアームはアニメキャラのぬいぐるみを捉えたものの、アームがひっかからず、ゲットとはいかなかった。

 「もう少しだったのに…!」

「このキャラ、気に入ったのか?」

「そうよ。だって、可愛いじゃない。この…ぬいぐるみになったことで元々可愛かったのにその可愛さに磨きがかかったのよ!絶対に欲しいの!」

 「そうか。なら、俺も久しぶりに、やってみるか。」

 俺は数年ぶりにクレーンゲームをすることにした。

 俺は何故か今までとは少し違った感覚があった、そのおかげでなのかは定かではないが俺は彼女が欲しがっていたキャラのぬいぐるみをゲットすることが出来た。

 「嘘、私が取れなかったぬいぐるみをあっさりと…。」

「俺、本当はこういうゲームは苦手なんだ。」

「なら、何で出来たの⁈」

「上手く言語化出来ないんだが…、なんと言うか…こう…多角的に見ているような感覚になって、その感覚にしたがって操作したら取れたんだ。」

 火花は照の説明を聞いてもポカンとしてよく分かっていないようだ。

 「まぁ、よく分からないよな。俺自身よく分かっていないからな。ま、取れた理由は兎も角、ほれ、欲しかったんだろ。」

「…ありがとう♪」

照は取ったぬいぐるみを火花に渡し、火花はそれを嬉々として受け取った。

 「どうだ、楽しいか?」

「ええ、楽しいわ。初めてゲームセンターに来たけど、楽しくていいところね。」

「そうか、それは良かった。」

その後、俺と火花はオシャレなカフェでお茶したり、カラオケでお互いの好きな歌を歌ったり、ボウリングで体を動かしたりと残りの時間を目一杯、楽しんだ。

 「はあー、楽しいデートを満喫したな」

「私もよ、ありがとう。貴方のおかげで楽しいデートが出来たわ。」

 「良かった。それじゃあ、帰るか。」

「ええ、帰りましょう。」

 俺と火花は駅前のボウリング場から出て歩いて帰り始めた。

 「それにしてもまさかお前が外からでデートをしたいと言った時、俺はかなり驚いたんだぞ!」

 「そうなの?私からすれば当然のことだったんだけど。それよりも、それを聞いて貴方が色々教えるって言ったことの方が私からすれば驚いたんだけど。」

 「そうだな…、確かに普段の俺ならそんなこと言わないだろうな。」

「でも、同時に嬉しかったわ。」


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