第142節 ホラウVS凍士 (侵犯編50)

(いくら強くても所詮は小学生、たかが知れているわ。)

 『パキパキ…』

(何…?この音は…?)

「さ、これであんたはより不利になったが…やるんだよな…⁈」

「当たり前でしょう、貴方に負けるつもりなど毛頭ないのだから。」

 「そうですか…じゃあ、仕方ない。」

凍士は能力で凍結させた床や壁などから氷の短剣を女に向かって全方位から飛ばした。

 女は必死に回避に徹しているが、被弾を続け…回避を諦め、両手を固く、鋭くして短剣を防ぐことに30〜1分程徹底したものの、少量の出血と体の数カ所が内出血している。

 (…こんな技を持っているなんて…知らされた情報が古いものだったの…?いや、それはありえない!ケイジュ様とネモ様の情報収集能力は福さまからも信頼されている…)

 「どうだい?僕の吹雪ノ短剣〈ダガー・ブリザード〉は。それなりに効いたのかな…?」

 「…本当、吹雪のようだったわ。けれど、まだ私の目的は果たされていない。」

「…へえ、まだやるのか…。少し見直したよ。あんたのようなタイプはこういう状況になったら直ぐにパニックになると思っていたのに…」

 「…それは私を舐めすぎよ。」と、女は言うと、女は虫利の身体から紫の巨大な煙を虫利の身体から排出することで解除し、女の身体へと入っていき、女の身体から煙と同様の紫の光が出ていて、それは少しずつ悍ましさを感じさせる鎧に変化した。

「 (この子なら、実験するに丁度いいわ。)

…怨騎〈エビル・ナイト〉。この姿で貴方を潰すわ。」

 「…そうか。じゃあ、僕も貴方に応えて見せてあげますよ。」

凍士は〈アイス・クローン〉と凝結したところを解き、新たに凍士の体に能力で直刀と鎧を装備した。

 「どうかな?僕のこの姿は…?」

女は唇を噛み締め、じっと黙っている。

 「…反応さえしてくれないなんて、淋しいじゃないか。」と言うと、凍士は新たに能力でもう一本直刀を作り、左手に装備した。

 そして、そのまま滑るように女との距離を詰め、そのまま直刀で心臓をピンポイントで狙い、直刀を槍のように突き刺した。

 が、女が少し動いたことで心臓と左の肺の間に突き刺さり、女を貫通し、そこから大量に出血しながら、ヨロヨロと体を揺らしながら1メートル程後退した。

 「…ッ!そんな…私の体に…穴が、空くなんて…。」

 「さて…僕の〈アイスアーマー〉はどうなのか…感想を言ってもらえるかな…?」

「…格が違い過ぎる。貴方、強いとは聞いていたけど…情報以上ね。貴方、魔法使いか何かでしょ…?」

 「魔法使い?違うね、僕は人間だよ。けれど、あんたを殺すことぐらいなら簡単だよ。」

 凍士は距離を一瞬で詰め、両手に装備している直刀を使った不規則な連続攻撃を女に浴びせ、女はその場に倒れ込み穴が若干塞がりつつある体が切り刻まれてもおかしくはない程に出血していた。

 「わ、私の負け、、だわ。」

 

 



 

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