第141節 ホラウ、虫利(洗脳)VS凍士 (侵犯編49)

「ええ、その通りよ。」

 「そうか…。分かった、火花。お前は施設の外に出ていろ。」

 火花は照の言葉を、聞いても不安そうな顔をして黙っている。

「…。」

「心配しなくても、護衛はつけるから安心しろ…」

 「貴方が信用する護衛なら、私も大人しく外に行くわ。」

 「士、火花のこと頼むぞ。火花は重要な戦力であるのと同時に俺の大事な人だ。絶対に守れ!これは命令だ。」

 「承知しました!」

「それと…」

 少し時間を遡り…

女と火花の戦いが終盤に差し掛かっていた頃…

 今。ホラウ、虫利(洗脳)VS凍士の戦いが始まろうとしている…!

 「おい。始める前に聞いておきたい、お前は虫利の洗脳を解除することができるのか…?」

 「ええ、できるわよ。ただ、私達に勝つことが出来たら解除してあげるわ。」

 (…女の方はどうとでもなるが、虫利の実力は未知数だからな…意外と厳しい戦いになるかも知れないな…。)

 「そうそう。この子を気絶させて洗脳を解除するのは不可能。それをすれば…即刻この子は自害するよう、言い聞かせてあるからお勧めしないわ。」

「…下衆が。」

「下衆で結構…よ…⁈」

凍士は能力で氷を纏った右拳で殴り…女は左頬から出血している。

 「……っ、貴方ねぇ、まだ私が喋ってるでしょうが‼︎‼︎‼︎」

 「僕は僕の親友を助ける為ならどんなに卑怯な手であろうと使う。師匠ならそうするだろうし……。」

 意識を失った虫利は斜めに飛び上がり、両手を鎌の様に変化させ、そこに降下速度を上乗せして切り裂こうと襲いかかってきた。

 (…早い!これは虫利の能力ぽいな。)

凍士は冷や汗をかきながらもギリギリ間一髪回避し虫利の左足を掴んで、女に向かって思いっきり投げ飛ばした。

 「…ッ」

投げ飛ばした虫利は女に掠り、左上腕から出血した。

 「…貴方、本当に小学生とは思えない戦闘能力ね…。」

「そりゃあ、どうも…。」

凍士は施設内で仕切られていない部分の水分を操作・凝結して自身と同じ大きさの分身を作り出した。

 凍士とその分身は其々、女と虫利に向かい、右手に能力で作った槍鉤爪を装備してコンパクトに切り付けるように右胸から腹部にかけて攻撃を仕掛けた。

 女は回避が間に合わず、攻撃は女に直撃し、女は大声を上げると共に傷口から大量の出血をした。

 分身は虫利に同様の攻撃を仕掛けたものの、直撃はせず、右腕を若干掠り、出血が滲み出ている。

 そしてそのまま凍士は女と分身は虫利と距離を、離して其々戦闘に入った。

 「さて。今度こそ、1VS1だが…降参するか…?それとも戦うか…?さ、選べ。」

 「勿論、戦うわ。」

(いくら強くても所詮は小学生、たかが知れているわ。)

 


 

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