第140節 火花VSネモ2 (侵犯編49)

「…分かってはいたけれど、貴方も超人なのね…。」

 「その通り。だけど、私はあまり戦闘向きの能力ではないわ。」

 「そう。それじゃあ…体もいい具合にほぐれてきたから、私も戦闘モードになろうかな。炎熱ノ衣〈サクヤヒメ〉!」

 火花はオレンジの光を再び放ち、収束することで薄いドレスのようなものを形成し、服の上からそれを纏った。

 「…今までは手抜きだったのね!」

「違うわ。これになるには少し時間がかかるし、準備が必要なの。その準備として私は精一杯戦っていたわ。」

 『ズズズズ…』と2人が戦っていた壁が移動し、通路を塞ぎ、火花は奥へ行くのが難しくなってしまった。

 「これで貴方は仲間の救出には行けなくなったわね。さ、どうする…?」

 「愚問ね。そんな物、彼の力を借りるまでもなく…私の力で貴方を倒し、その壁を破壊すれば良いだけのことよ。」

 「…へえ。なら、MAXパワーで貴方を叩きのめさせてもらうわ…!」

 「…貴方に出来るかしらね…?」

女からは薄紫の光、火花からはオレンジの光が広範囲に出ていおり…それに呼応するように施設内全体が『ゴゴゴゴ…』と細かく震え出した。

 2人から其々の光が消えると2人の体から薄く其々の光の色に色づいた煙が出ていた。

 2人の光のパワーの放出によって生じた細かい揺れで施設内の壁の表面が崩れた。

 2人は互いの実力を測るかのように軽い感じで動き始めたが、この時点でかなり高速で動いているので、普通の人間には姿は一切見えない速度で動いている。

 互いに攻撃は当たってあるものの、クリーンヒットは無く、少しずつ回復しているが、回復よりも互いに攻撃の被弾によるダメージがうわ回り回復が追いつかず…、20分が経過した…。

「ハァッ、ハァッ、ハァッ…」と女は息を切らせている一方…

 火花は女と同様に息を切らせてはいるものの、女よりは余裕があった。

 「…貴方、大して強くないわね…。」

「…!なんですって…‼︎私が弱いと言いたいのかしら…⁈」

 「違うわ。ここまで体感で数十分貴方と戦ったけれど、今のが貴方の最大パワーだと言うなら、少し期待外れだな…と思っただけよ。」

 「そう…つまり、私は弱いと言いたいのよね…⁈本当っに貴方は私を舐めているわね…」

「(良かった…実力差を理解できる相手で…)。」

「けれど、確かに今のままでは貴方に勝利するのはかなり困難なようね。ま、私の任務は果たせたことだし、今回は退きましょう。では、失礼。」と、女は言うとこの施設から姿を消し…宣言通り、この施設から撤退した。

 「…ふぅー…。どうにかなったわね、さてと…。」

 「…!火花、今の今まで戦ってたっぽいな…。」

 「ええ、その通りよ。」

 

 

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