第134節 一方で… (侵犯編42)

「何が言いたいんだ…⁉︎」

 「簡単なことよ。貴方達がどんなに必死になって邪魔をしようと無駄ってこと。」

 「それは違うっ!僕等は確かに非力かもしれないが…僕等は互いに高め合い、成長することができる!だから…」

「ふふっ…、はははははは…!」

「何が可笑しい…?」

「…やはり君は小学生だ。今の状況を全く理解出来ていないようだからね…」

「…⁉︎、何が言いたいっ‼︎」

「簡単だよ。君は確かに強い、この私より圧倒的に…ね。けれど、今の君は明らかなお荷物を背負っている上、私だけでなく…君の親友が君から見て敵として立ちはだかっている…つまり、君がこの状況から“勝ち”を得ることは無理ってことさ…」

 「…っ。確かに、今の私達は凍士様からすればお荷物だろう。だがっ!足を引っ張らないように立ち回ることはできる!」

 「…だから?分からないかなぁ〜、自分達でお荷物だって言っているって…こ・と♪分かる?」

「ええ、分かっているわよ。けれど、凍士様はそれもろとも貴方達に勝つわっ!」

「へえ〜言うじゃあないか。では、その凍士様の実力を貴方達は特等席で見せてあげるわ。」

 すると凍士達のいる扉の両横の壁の一部が開いて、その中から小型人型ロボットが大量に出てきた。

 出てきた大量の小型人型ロボットは集まって2つの巨大なロボットになって、左右の通路を塞いだ。

 「これで左右から逃げることは出来なくなった。次は…と…」

 今度はタエ達の後ろの壁の一部が動いて後方の通路を塞いだ。

 「これで貴方達はここから逃げることは出来ない。さ、せいぜい必死に抗うが良いわ。」

 「…」

今。ホラウ、虫利(洗脳)VS凍士が始ろうとしている…!

        ・

施設内で本格的な戦闘が始まろうとしていた頃…外では…

 照が廃村の入口から施設の前に向かって歩きながら村全体を警戒していた。

 「…この施設の周りに敵はいないようだな。」

「さて、俺は俺ですべきことをするか」

照は暫く凍士達が入っていった施設の周囲を調べて取り敢えず安全だということが分かり、施設の前に戻って来た。

 すると…施設の中から成人したばかりくらいに見える男女が何やら慌てた様子で出てきた。

 「…どうした?」

照の質問に対して男性が答えた。

 『は、はい…実はですね…』と息を切らしながらゆっくりと話始めた。

 「じ、実は龍牙様が何か厄介な敵の予感を感じたそうなのです。」

「と言うと…?」

「今、龍牙様はタイトと言う敵幹部候補と戦闘をしていまして…」

 「…なるほど。だから、施設内から色々と音がしてくるわけか。」

「お、お解りでしたか!」

「ま、一応な。だが、ちゃんと教えてくれ。」

 「はい。では…先程、龍牙様がタイトと言う敵幹部候補と戦っていると言いましたが、戦う前に龍牙様がどこか不思議そうな顔をした後、何かに気づいたように私達に貴方様を呼んで来るように頼まれたのです。」

「成程。さすがは龍牙さんだ、俺と同じく違和感に気づいてたんだろうな。」

「と、言うと?」

 


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