第133節 お見通し (侵犯編41)
凍士達が被害を抑えるために準備している間も少しずつ女性型アンドロイドから発せられる音が大きく激しくなるのと同時に段々、音の出る間が短くなり…
『ドカーンッ』と言う大きな爆発音がしそうなほど に女性型アンドロイドは氷塞の中で爆発し、張っていた氷の塞の一部が細かい氷の刃として周りに四散した。
が、凍士達は準備していたことにより被害はほぼ0に抑えることが出来た。
そして…凍士は爆発が収まったことを確認して一息ついた。
そこに離れていたタエ達がやって来た。
「ご無事ですか!凍士様ッ⁈」
「ええ、この通りピンピンしていますよ。」
「し、しかし…結構な数の切り傷ではありませんか!本当に大丈夫なのですか?」
「問題ありませんよ、これは自分の能力で爆発を抑えた結果ですから。」
「では…成功したのですね⁈」
「はい、今の僕の全力でなんとか…って感じで、かなり苦労しましたけどね。」
「と、いうことは…」
「はい、あれは僕の技の一つ極厚氷塞〈フローズ・シェル〉の一部が細かい氷の刃となって四散した際に僕の体にも飛んで来た結果…今の状態というわけです。」
(…❗️)
凍士は何者かの強烈で非道な気配を感知した。
「いいですか…これから強い敵が出てきますが、決して戦おうとしないで下さい」
「…待ってください。敵?確かにここは敵の施設ですけど、人が出てくる気配なんて…」
「…でも僕は実際に感知しました。僕の言いたいことは分かりましたか⁈」
「はい…貴方達、いいわね!私達はここから離れるのです!」
タエの指示を受けた部下達は『はい!』と一言返事をして移動しようとした矢先…
扉が『ガガガガ…』と重々しくゆっくりと開き、ドライアイスのような白い煙の中から20代前半くらいに見える女が姿を見せた。
「…なるほど、君が凍士君ね。確かに、あの方々が警戒するのも頷けるエネルギー量と強さね。…そして、そっちの人達は…うん、全く問題ないわね。」
(『…無視するなよ!』)とタエ達は全員が心の中で突っ込んだ。
「さて…貴方達の目的は救出ですね?」
「だったら…?」
「いえ、折角ここまで到達したのですから見せてあげようと言っているんですよ」
と、言って女が手を叩くと扉の中から完全に意識を奪われた虫利が出てきた。
『…‼︎』
「おい…お前。僕の親友に何をした⁈」
「何って…私は何もしていないわ。けど、私の仲間が君の親友を洗脳しただけ…簡単でしょう…?」
「…ッ、何の為にそんなことをっ!」
「何の為って…貴方達の送ったネズミから聞いているのでしょう?」
「「…‼️」」
「知っていたのか…」
「当然でしょう?私達のボスは全て見通しておられるわ。」
「何が言いたいんだ…⁈」
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