第132節 所変わって… (侵犯編40)
所変わって…。
一方、火花と別れた凍士等は…見えている研究室と思われる部屋を目指して走っていた。
「…まだ、着かないのか。」
「そのようですね。私が先に行っておきましょうか?」
凍士に話しかけて来たのは千癒さんの部下兼参謀のタエだった。
「いえ、不要です。僕の感覚ではあと4〜5メートル程ですから、あと少しの筈です。」
「…承知しました。」
そこからしばらく走っているととても重そうな扉が見えてきた。
「…本当に凍士様の言った通りになりましたね。」
「いえ、ハズレです。よくあの扉の辺りを見てください。」
「…!。確かに、誰かが扉の前に立っていますね。」
「ええ、なので僕の言った通りにはなっていません。」
「確かに、貴方の発言と完全一致というわけではありませんでしたがほぼ貴方の言葉通りですよ。」
「そうですか…では、あの扉の前に行きましょうか。」
「はい」
凍士達は警戒しつつもゆっくりと扉に向かって歩いていき行き、扉の前に着いた。
そこにはとても美しい容姿をした20代前半くらいの女性が立っていた。
タエはしばらくその女性を全体を舐め回す様にじっくりと観察した。
するとあることに気づいた。
「凍士様。これは…アンドロイドです。」
「…え?これが…機械…なんですか?と、とても信じられません。」
「…まぁ、そう思うのも無理はありません。こんな…まるで人間女性のような容姿をしているのですから。しかし、本当にアンドロイド…つまり、ロボットなのですっ!」
「し、しかし…」
「まだ、信じられないようですね。仕方ありません、凍士様。あのアンドロイドの右腕を切断…もしくは千切ってください。」
「…わ、分かりました。」
と、渋々ながら納得した凍士は能力で氷の直刀を形成し、その直刀を右手で握り、アンドロイドに近づいてその直刀でアンドロイドの右腕を切った。
人間であれば、出血するはずなのだが出血することなく。『カタン…』と硬い音を立てて、切断した腕は床に落ちた。
「そ、そんな…本当に機械だったなんて
…。」
「これでお分かりいただけたでしょう?彼女は人に作られたアンドロイドだったということが。」
「…はい。」
と、凍士とタエが応答をしていると女性型アンドロイドから『ジ…ジジ…』と少しおかしな音をたて始めた。
「「…❗️」」
「貴方達!今すぐ後ろに退避しなさい‼︎」
タエの部下達は『⁈』という感じで状況を飲み込めていないようだ。
「…仕方ない。」
と言うとタエは部下達に圧をかけて一ヶ所に集めて、両腕を広げてラリアットの様に直撃させて、そのまま後方へ部下達と一緒に高速で移動した。
タエが部下達と一緒にアンドロイドの元から移動したのと同時に凍士は自身も2メートル程後方へ下り、女性型アンドロイドの周りを氷で作った直径1.5メートル程の半球で覆った。
という感じに凍士達が被害を抑える為の準備をしている間も少しずつ女性型アンドロイドから発せられる音が大きく激しくなるのと同時に段々、音の出る間が短くなり…
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