第131節 龍牙VSタイト2 (侵犯編39)
「確かにさっきより少し強くなったね。これなら、少しは僕が戦う意味があるかも知れない。」
しかし、言葉とは逆に龍牙は〈ドラゴ・
ライト〉を解き、通常状態に戻った。
「…何故、装甲を解いた?俺が相手ではやはり実力を発揮するまでもないってことか…⁈」
「…違う。だが、確かに君では僕は全力を出すことはない。」
「…ッ、やはりか。」
「けれど、勘違いしないでもらおう。僕が君に興味を持ったのは本当だよ。だからそんなにキリキリする必要はない。」
と言うと、龍牙は再び集中力を高め始め…今度は龍鱗の柄の入った分厚い籠手が龍牙の両腕に出現した。
「…その籠手は…?」
「…ああ、これか。これは、龍鱗ノ籠手〈ドラゴン・ナックル〉。今の君にはこれで十分。さ、再開と行こうか。」
龍牙は雷をタイトに向かって放った。
「…ッ‼️」
タイトは突然の龍牙の攻撃を紙一重で直撃を回避した。
『ジュゥゥ…』という音がタイトの右頬からたてながら、少しの煙が出て軽い火傷を負った。
加えて、穴の空いていた武器庫の壁が広く熔解した。
「…いきなりなんて、ちょっと酷いんじゃないか…?」
「酷い…?何を言っている、これは殺し合いだ。殺し合いにそんなものは存在しない。」
「…そりゃそうか。」
タイトは2メートル程の大きさから元の大きさに戻り、続けてスピードを上げて突っ込みその勢いのまま威力のありそうな連打を仕掛けてきた。
が、タイトの腹部にめり込む程の膝蹴りを浴びせて攻撃が止まった隙をついて両手首を掴んで龍牙はタイトを火薬の入った木箱に向かって思いっきり投げ飛ばした。
投げ飛ばされたタイトは積まれている木箱の内の一つを破壊して、突っ込んだ。
『ドドドド…』と連鎖して周りの他の木箱がタイトに雪崩の様にタイトに落ちていき、タイトは大量の木箱の中に埋まってしまった。
タイトは『ボンッ』という音をたてて埋まっていた木箱を吹き飛ばして、木箱の中から出てきた。
(…やるじゃないか。結構手応えがあったんだけどな…)
「…っぱ、アンタ強えな。このままじゃ全く勝てる気がしねえ。」
「分かっているならさっさと手を引いてくれないか…?」
「する訳ねぇだろ。最も、その権限を俺は持っていないがな。」
「…ッ。尚更、僕は君と戦う意味が無くなった。」
タイトは木っ端微塵になっている木箱を見てから左足を思いっきり振り切った。
するとタイトの近くにあった大量の木箱の木片をナイフのように鋭く、殺傷能力を高めてから龍牙に向かって吹き飛ばしてきた。
対して…龍牙は両腕の〈ドラゴン・ナックル〉に高圧の雷を纏った拳で高速で飛んでくる鋭利な刃物と化して木片が少し被弾しながらもほぼ全ての木片を燃やした。
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