第130節 龍牙VSタイト (侵犯編38)

その頃、武器庫内では…

 龍牙とタイトの戦闘が始まろうとしていた…

「さぁ、始めようか!」

 「…ああ、その意見には僕も賛成さ」

タイトは薄紫の軽装備を纏い、不気味な気配を漂わせている。

 龍牙は軽装備の〈ドラゴ・アーマー〉を纏っている。

 名前をつけるなら…〈ドラゴ・ライト〉と、いう感じだろう。

  タイトの顔には決意が感じられる。

直感で自分よりも龍牙が強いことを理解しているからだ。

 龍牙も真剣な顔をしている。

照と闘う時程ではないがかなり警戒している。

 実際、常に邪悪な気配が近づいたら直ぐに分かる様にしているからだ。

 武器庫内は静かな時間が流れる…

先に仕掛けたのは龍牙だ。

 龍牙は武器庫の床を蹴って、1メートル程飛び上がり、右足に雷を纏っているところに落ちる速度を上乗せしてタイトの首を狙って回し蹴りを当てようとした。

 が、間一髪タイトは龍牙の上からの雷を纏った右足の回し蹴りを回避した。

  タイトが回避した回し蹴りのエネルギーは火薬の入った木箱の端を切り、そして武器庫の壁に刃物で切った様な形の穴を作った。

 「…ッ、意外と反射神経は良いようだね。」

 「そりゃ、どうも。あんたのような強い人に言われると俺も幹部の実感が湧いて来るってもんだ。」

 「今度はこっちから行かせてもらおうかな…」

 タイトは体から水蒸気のような煙が少し出すと龍牙の左の横太腿に蹴りを仕掛け、直撃したが龍牙の表情は一切変わっていない上に擦り傷さえついていなかった。

 「そうか…やっぱり、今程度の攻撃じゃああんたには擦り傷さえつけることは出来ないみたいだな。」

 「そうか…じゃあ、さっさと自首してくれないかな…?その方が僕も楽だし♪」

 「する訳ないだろう…?」

「やっぱりそうか…じゃあ、戦闘不能になってもらうしかないね。」

 「…俺もそう簡単にやられる訳には行かないからね。」

と、言うとタイトは体から水蒸気を出すことをやめ、内に熱エネルギーを溜め始めた。

 すると、タイトの身体は少し大きくなった。

 「…だいぶ大きくなったな。」

タイトの最初の大きさは龍牙より若干低いくらい、恐らく180とちょっとくらいだった。

 それが、今は180台後半の龍牙を見下げているので確実に2メートル前後はあるだろうと思われる大きさだ。

 「これなら、少しは戦うメリットがでて来たんじゃないか?」

「…」

「ダンマリか…残念だ。仕方ない、確かめることにしよう。」

 タイトは右足で龍牙の左横腹に向かって蹴った…

 「…‼︎」

が、龍牙は少し顔をしかめて左足を上げて防いだ。

 タイトは防がれた右足を床につけ、続けて右手の手刀を龍牙に向かって振り下ろした。

 「…!」

 それも、龍牙はさっきよりも表情の変化が少なく防いだ。

「…少しはメリットを感じてくれたみたいだね。」

 「確かにさっきより少し強くなったね。これなら、僕も戦う意味があるかも知れない。」

 


 

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