第129節 新たな障害 (侵犯編37)
「その女はどれくらいの強さなのでしょうか…?」
「ケイジュ様からの情報によれば前最高幹部の1人だった、珊瑚様を追い詰めたと聞いているわ。」
「さ、珊瑚様を…し、信じられません」
「でしょうね、私もケイジュ様から聞かされた時は驚いたわ。」
「…ちょっと待って下さい。ということは…」
「…ええ。貴方が想像している通り、私達最大の障壁の男は珊瑚様をあっという間に始末してしまったそうよ。」
「…し、信じられません。あの珊瑚様が手も足も出せないどころか、一矢報いることさえ出来ずに殺されたなんて…」
「ま、それは置いといて…火花という女の話に戻りましょうか。」
「はい、そうですね。」
「その女は福様にとっても必要な人物らしいから、殺さない様に厳命されているわ」
「し、しかし、その女は珊瑚様を追い詰めた程の強さを持つのでしょう…?とても殺さずに倒すのは難しいと思いますが…」
「それは問題ないわ、私がその女の相手をするから。だから貴方は今名前を上げた3人の内の1人でもこの防衛戦で会ったら少しでも弱らせなさい、それが貴方の今回の任務よ。」
「承知致しました。」
・
そして現在。
分かれ道の真ん中の道を進んでいる火花と凍士達のグループは凍士を先頭に一番後方を火花がついて進んでいた。
「何か変なところに来たみたいですね…」
「確かに変なところだけど…、…!もしかしたらここはあいつらの強化施設なのかも知れないわ!」
「成程!それならこの妙なカプセルに入った人間達にも納得がいきますね!」
「ええ!だけど、今の目的は…」
「はい!虫利の救出ですね!」
「なら、先に進むわよ!」
それから更に少し歩いて、今度は少し寒くなってきた。
「…何か寒くないですか?」
「…確かに少し気温が下がっている感じがするわね。」
と、緊張感を持ちながらも話していた火花と凍士達の前に20代前半くらいの美しい容姿をした女が現れた。
「悪いけれど、ここで貴方達は行き止まりよ。」
「…誰⁈」
「…そうだな…名乗る様な名前はないけれど、幹部とだけ言っておくわ。」
「凍士くん、貴方は早く救出に行きなさい!」
「…分かりました!」
凍士は数人の仲間を連れて施設の中でも特にハイテクそうな、恐らくラボだと思われる所に向かって進んで行った。
「…見て直ぐにに分かったわ、貴方が珊瑚様を追い詰めたという火花ね。」
「…そういう風に伝わっているのね。ま、私には関係ないけれど…」
「…そうそう、貴方に言っておくことが一つあるの。」
「何?仲間になれとかそういうことならお断りよ。」
「違うわ、出来ることなら今すぐ自害してくれないかしら…?」
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