第128節 突入前… (侵犯編36)

龍牙とタイトは集中力を高め始め…武器庫内が細かく震え始めた。

 その震えは徐々に広がり2人が戦闘態勢に入った時には武器庫内はヒビだらけになっていた。

 今、龍牙とタイトの戦いが始まろうとしている。

        ・

時間は遡り、凍士達の施設突入前。

 施設、最奥の研究部屋では…

ホラウがタイトを呼びだし、凍士達のことを伝えていた。

 「…これから入ってくる敵の中には厄介な奴もいる。だから、これから言う奴等の名前は覚えておきなさい。いいわね…?(圧)」

 「分かりました…、その厄介な敵と言うのは…?」

「私達が厄介だとかんがえているのは3人。」

(…ホラウ様達が厄介だと考える敵、しっかりと肝に銘じておかなければ。)

 「まず、1人目は…氷川凍士(ひかわとうじ)という少年よ。」

「そいつはどの様な容姿をしているのですか…?」

 「…そうね。一言で言うなら、美少年って感じの容姿をしているわ。」

 「(もしかして…)そいつは僕が捕縛した少年では…?」

 「そうよ。」

「…であるならば、そいつはそこまで厄介な敵ではないのでは…?」

 「それは見通しが甘いわ。」

「…そうですか?」

「思い出してみなさい、貴方はどうやってその少年を捕縛したのかを。」

        ・

「隙が出来た一瞬に睡眠薬を染み込ませたハンカチで眠らせました。」

「…どうやら。まだ、よく分かっていないようね。つまり、警戒度が高い今回の戦闘において、前回の様な奇襲攻撃を仕掛けて勝つことさえ難しいってことよ。」

 「…!」

「ようやく分かったようね。今回の防衛戦において奇襲を仕掛けても効果は薄い。そして、この少年は見た目とは違ってかなり強いらしいわ。」

 「なるほど、2人目は…?」

「報鳥雄人(ほりゆうと)という青年よ。」

「聞いたことのない名前ですね。」

「ええ、私もケイジュ様から聞かされるまで知らなかったわ。」

「そいつは強いのですか…?」

「正直に言うと実力は未知数よ。ネモ様の部隊が調べたらしいけど、あまり出てこなかったらしいわ。」

「では…実力は一切不明ということでしょうか…?」

「いえ、そういうことではないわ。ネモ様からの情報によれば、福様を初めとした私達にとって最大の障壁の男と最初、いい勝負をしたらしいわ。」

 「成程、最後は…?」

「霞火花(かすみほのか)というJKよ。」

 「女子高生ですか?あまり強いとは思えませんが…」

「はあ…貴方、まだそんな風に考えているの?そんなんじゃあ、この子と戦闘になったら確実に負けるわよ。」

 「…‼︎本当ですか…⁈」

「ええ、実力が判明している中では今回の防衛戦において最も警戒すべき敵よ。」

 「…その女はどれぐらいの強いなのですか…?」

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