第124節 高め合う (侵犯編32)
『まだ、諦めない!』
凍士達4人は更に攻撃を激しくしていったが直撃どころか、照に攻撃は当たらなくなってしまった。
対して照は引き続きエネルギーを高めて〈カグツチ〉になった。
照は右腕を振り切り、強烈な熱風を発生させると4人は3メートル程、後方へ吹き飛んだ。
(『くそっ!さっきより隙がない…』)
「…でも、さっきよりは闘い易いと思いませんか?」
凍士の言葉に3人は目で同意を示した。
「その代わり、さっきの様な明らかな隙も、ないと思った方が良いだろうな。」
報鳥の言葉にさっきと同様に他の3人が目で同意を示した。
「作戦会議なんてさせる訳がないだろ」
照はさっきの重ね掛けをしていた時程ではないがかなり高速で3メートルの距離を詰めた。
『…‼︎』
4人から見ても先程よりスピードは落ちていたが…それでも4人からしてみれば十分に早かった。
照は詰めた勢いそのままに両腕を使って連続でパンチを喰らわせようと繰り出したが、4人は何とか直撃を回避した。
しかし…全員血が滲み、凍士は更に右頬の傷が深くなり、右頬から出血している。
「…ま、まだ、まだやれます!」
「流石にもう無理をするな。本当に逝きかねねぇぞっ!」
「構いません。僕は…師匠、貴方に…」
「そうか…よく分かった。」
「…!」
照の腹部に物一の左足の蹴りが直撃した。
「カハッ…」
照は吐血しながら2メートル程後方に蹴り飛ばされた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
蹴りを喰らわせた物一はなんとも言えない複雑な表情をしている。
「少し効いたぞ、いい蹴りだった。だが…もう、そんなチャンスはないぞ。」
「なら、僕等は協力してもう一度同じことを起こしますよ。」
「そうか…なら、頑張るんだな。」
と、照は言うと右足にエネルギーを溜めてからを振り切り、4人に熱を帯びた衝撃刃を放った。
「…‼︎」
勿論、4人に衝撃刃は見えないが、4人は咄嗟に左右に別れることで回避した。
『ふぅー』と、凍士と物一が溜息を吐いてから今度は凍士を除いた3人が照に対してさっきよりも強力に連携して攻めたがやはり直撃はしなかった。
そこに多少ダメージが癒えた凍士も加わると4人其々が高め合い、少しずつ連携が滑らかになり、少しずつ試合の中で成長していった。
結果…3人での連携や凍士が加わってからも暫くは直撃どころか照に攻撃を当てることが精一杯だったが、少しずつ攻撃が通る様になり…
ついに…
報鳥の右ストレートが照の左頬に直撃させることに成功した。
4人と照は息を切らせて今にも倒れそうな程に体は疲れていた。
それも当然だろう…何故なら、4対1という変則ルールの上、既に試合を3時間ぶっ通しで闘っていたのだから無理もないことだ。
「悪いが…次で決めさせてもらう!」
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