第121節 試合再開 (侵犯編29)
『次元が違う!』
照は回転を停止し…
「さて…と、そろそろ手合わせを再開しようぜ。」
と、4人に問いかけた。
『…』
が、4人は黙ったままだ。
「戦意喪失か…?」
「いえ、やるわ。貴方達もそうよね?」
「勿論」
「同じく」
「僕もです」
「そうか…じゃあ、来い!」
照は仲間内での手合わせや試合において初めて構えた。
と言っても、あまり変わらず左足を少し前に出して、そこに体重を乗せただけのものだが。
「では…行きます!」
凍士は先程より薄い氷の鎧を身に纏い、右手に能力で形成したと思われる短剣を持って俺の右斜め前方から全速力で迫り短剣で照の体に切りかかったが…
照は若干の汗をかきながらもそれを避けて、切りつけようとした凍士の右手首を左手で力強く掴んだ。
そして凍士は右手に持っていた短剣の形を維持できず、氷の短剣はもう一度気体となって空気に戻った。
「…ぐっ!」
凍士は右手首を掴まれたことによる痛みで顔を歪ませている。
照は凍士の右手首を掴んだまま、左足で凍士の右横腹に蹴りを入れたが凍士が右横腹のみを能力を緩め照の蹴りは僅かに滑った。
(…これは!)
凍士は照の蹴りが滑ったことでダメージが軽く済んだのでそのまま、左拳でパンチを繰り出し、照の右横腹の下側に当てようとするも…
照は凍士の繰り出した左拳も掴み…
そして、そのままの勢いで凍士を場外に投げ飛ばそうと凍士を思いっきり投げた。
凍士は照から見て武舞台の左奥に向かって勢い良く飛んで行く…それは凍士が能力によって形成した氷壁にぶつかってもそのことごとくを突き破り、勢いは少し落ちたものの、場外まで飛ばす勢いは残っていた。
そして…場外まで後2メートルの所から報鳥、火花、物一が投げ飛ばされた凍士を3人が全力で支えて、凍士の勢いを落とし…残り30センチとなったところで勢いは止まり、凍士の場外は何とか免れた。
「3人ともありがとうございます!」
「まだ、安心するには早いわよ!」
「はい‼︎」
4人は改めて気を引き締め、武舞台の端から少し中心に移動した。
「八蛇回連撃〈オロチ・ブラスター〉っ‼︎」
照は巨大蛇の形をした8つのエネルギー弾に先程回転した際のエネルギーを加えた攻撃を4人に向かって放った。
「4連・超厚氷壁〈クワッド・ヘビーウォール〉っ‼︎」
「炎砲〈フレイム・キャノン〉っ‼︎」
「犀皮膚防御〈ライノス・ガード〉っ‼︎」
「鷲防御〈イーグル・ガード〉っ‼︎」
4人は其々照の放った、〈オロチ・ブラスター〉8つのうちの2つを全力でうけた。
物一は直接受けて耐えていたので両腕は勿論、胴体や足などの部分も両腕による守り越しでも伝わる衝撃によって他の部分もダメージを受けた。
次に…
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