第118節 我儘 (侵犯編26)
そして報鳥は俺との電話を切った。
その後、俺は東京に戻った。
そして…受験も一通り終わり、俺達は卒業式の練習をするようになっていた。
「卒業式…楽しみですね♪」
「そうか、彩羅は小学校の時の記憶がないのか…」
「はい。なので、とても楽しみにしているんです♪」
「そうか…じゃあ、今回の卒業式はしっかりと心に刻み込まないとな♪」
彩羅は俺の言葉に力強く首を縦に振った。
「私も日本の卒業式ってのには初めて参加するんだ。だから、すこし教えてくれないか?」
「卒業式のことなら今の練習をしっかりやっていれば問題ないと思うが…」
「そういうことじゃなくて…」
「何が言いたいんだよ?」
「卒業式以外についても色々教えて欲しいんだけど…良いでしょ?」
「例えば何を教えれば?」
「そうね…今回は、卒業式に関係することを教えてもらえるとありがたいわ。」
「…分かった。けど、不満があっても文句は言うなよ?」
「分かってるわ。」
「なら良い。」
今日は何のトラブルも起きず、俺達3人は其々の家に帰った。
翌日…俺は学校から帰ってから、凍士が俺の家にやってきた。
「…俺に用か?」
「実は…師匠に僕達の我儘を聞いてもらえないかと思って来ました。」
「…ちょっと、待て。僕“達”って言ったか…⁈」
「はい。そう言いましたが?」
「お前以外にもお前と同じ思いの奴がいるのか?誰だ…?」
「そうですね…。雄人さん、火花さん、それと……物一くん…ですね。」
「ということは、4人の我儘て訳か。」
「はい、そうです。」
「それで…、お前達の我儘ってのはなんだ…?」
「僕等、師匠に10貴士なんて称号をつけてもらいましたけど…正直あまりにも師匠や龍牙さん達と実力が離れ過ぎていてこのままでは足手纏いになるのでは…と思ったので、今一度師匠と手合わせをして今の僕等の実力を把握していただこうかと思いまして…。」
「成程。そういうことか…。分かった、その手合わせ引き受けよう。」
「本当ですか!では…」
「だが、条件がある。」
「条件とはどのような物でしょうか?」
「何…そんなに難しい物ではない。お前達4人と俺の4VS1だ。簡単だろう…?」
「それでなければ引き受けていただけないということでしょうか…?」
「そういうことだ。だが、それには理由がある。」
「それはどの様な…?」
「それはその時のお楽しみにしておけ」
「分かりました。では、日程は何時が宜しいでしょうか?」
「そうだな…卒業式が終わったからであれば何時でも良いぞ。」
「では、3月18日の10時頃はどうでしょうか…?」
「ああ、俺はそれで構わない。」
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