第112節 精神世界で (侵犯編20)

龍牙の締めの言葉で全員が其々の家に帰った。

 ・

ここ2週間は非常に平和だ。

 襲撃等のトラブルなく生活しているが、

警戒だけは継続している。

 今は火花とペットのユウタの散歩をしている。

 「それにしても意外だったな、犬が好きだとは。」

「貴方、私を何だと思っているの?」

「いや…もっと、こう…プライベートは探るべきじゃないと思っていただけだ。」

 「そう。なら良いけど、私は別に貴方にならプライベートを知られても良いと思っているわ。」

 「それは俺も同じだよ。」

(やっぱり火花といる時が一番楽しいな…)

「照…私は、貴方となら…ど」

俺は火花に静かにする様、ジェスチャーで伝えた。

 火花も俺のジェスチャーに頷いた。

「…出てきたらどうだ、俺達を相手にタイミングを窺うなんてのはできないぞ。」

「また、バレてたか。」と言って報鳥が草から出てきた。

 「…照、この人は?」

「コイツは報鳥雄人(ほりゆうと)、俺が最も信用している人間で幼馴染だ。」

火花は報鳥を観察する様にじっくりと全体を見た。

 「おい、照。お前の彼女大丈夫か?俺を凄い見ているんだが…」

「大丈夫だ。今、火花はお前を吟味しているんだ。」

  とコソコソと火花に聞こえないように会話をした。

 「貴方、報鳥って言ったわよね?」

「そうだけど…君は?」

「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私は霞火花(かすみほのか)、照の…一応彼女よ。」

 「そうか…それで君は何で俺をじっと見ていたんだ…?」

 「貴方が照の相棒として相応しいか吟味していたのよ。」

 「そうだったのか…」

(照から聞いていたが本当にその通りだとは思わなかった…)

 「それで…お前が俺のところに来たということは伝えることがあるんだろう?」

 「ああ、奴自身の目的を果たす過程が分かった。」

「…本当なのか?」

「ああ、間違いない。」

「そうか…分かった、お前は先に俺の家に行っていろ。俺達は散歩が終わってから行く…そうだな……後20分くらいだ。」

 「分かった。」

俺と火花はこの残りの散歩を終えて俺の家の前で待っていた報鳥と一緒に俺の部屋に招き入れた。

 「さて、と…俺達3人なら精神世界で会話することが出来るはずだ。」

 「ちょっと待て、その方法は俺と火花さんも知ってるのか?」

 「ああ、知っている。というか、俺は2人にその方法を既に教えている。」

 2人は暫く記憶を辿り分かった様だ。

「分かったみたいだな。じゃ、始めるか」

「ああ。だが、どういう形でやるつもりなんだ?」

「そりゃあ、三角形だ。それ以外にあると思うか?」

「それもそうだな。」

「じゃあ、改めて…始めるぞ。」

 2人はうなづいて俺に返答した。

俺達3人は俺の自室で其々が座禅を組んで三角形を作った。

 俺達3人の相性は良かったらしく、集中力を高めながら自然と同調し最大まで集中力が高くなると俺達は夕焼けの様な暖かな色をした空間に来ていた。

 「「ここは…何処(だ)?」」



 



 






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