第102節 龍牙への報告 (侵犯編10)
など年考えていると、龍牙さんが玄関から
出て来た。
「よく来たね…待ってたよ。さ、上がってくれ。」と、言って龍牙さんは俺を家の中に入れてくれた。
そして、一階の右端にある防音室に案内された。
俺と龍牙さんは縦3メートル、横1.5メートルのテーブルを2つの椅子に向かい合って座った。
「では、早速報告を聞こう。」
「はい…最初に言っておきますが、事態はかなり深刻化していました。」
「と、言うと…?」
「先ず、凍士がいなくなりました。」
「…!それは本当かい…⁈」
「はい、間違いありません。」
「そうか…因みに誰からの情報何だい?」
「榴ですが…、何か問題でも?」
「いや、何でもない。情報源に不安があっただけさ。」
「そうですか…。では次に沖縄等の一部の地域を除いて、全国的に虚な状態の人間が増えて来ているらしいです。」
「確かに、深刻だね…」
「そして…」
「まだあるのかい⁈」
「はい。先程、全国的に虚な状態の人間が増えてきていると言いましたが…」
龍牙さんは真剣な面持ちで俺の説明を聞いている。
「北海道で鉱己が仲間達との連絡が突然取れなくなったそうです。」
「成程、僕が思っていた以上に事態は内外共に深刻になっているようだね。」
「はい…それでですね、俺達の推測では奴等の中に意識を弱め、人をコントロールすることの出来る人間がいるのではないかという考えに至っています。」
「成程…そして。追加で言うなら、僕は火花くんが危ないと思っている。」
「何故ですか…?」
「その鉱己くんも操られている可能性が高いと思っている…」
「はい…。」
「そして、その鉱己くんから火花くんの情報が漏れたと考えるのが普通であり、僕も実際そう思っている。」
「…!まさか。」
「そう…君の考えている通り、火花くんが奴等若しくは奴等の息のかかった者に狙われると僕は思っている。」
「だから、俺に火花を守れという訳ですね。」
「そうだ。しかし、君が四六時中火花くんを守ることは難しいだろう…」
俺は龍牙さんの言葉にうなづいた。
「だから、君の知り合いの中で彼女を守ることに専念することが出来る者を近くに置いて影ながら彼女を守るよう、手配してくれないか…」
「分かりました、龍牙さんの条件に当て嵌まる知人がいるので頼んでおきます」
「分かった、ありがとう。僕も可能な限り彼女のことを守れるように尽力するよ」
「ありがとうございます。では、失礼します。」
俺は龍牙さんの家から自分の家に帰って直ぐに黒鉄さんに連絡を取り、事情の説明と火花さんを守って欲しいことを伝え、快く引き受けてもらうことが出来た。
何故、俺が黒鉄さんの連絡先を知っているのかと言うと火花が入院中してまだ目を覚ましていない時にお見舞いに行った際に連絡先の交換をしていたからだ。
そして…翌日、俺は学校へ行った。
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