番外編4-2 照VS龍牙1

「成程、この部屋と建物の経緯は分かりました。しかし、この部屋の厳重過ぎるセキュリティはどうしたんですか?」

 「先程、榴様のお爺様がこの部屋をリフォームする際に新しく作ったと申しましたよね?」

「はい」

「榴様のお爺様はとても疑い深い性格をしておりまして、万一にもこの建物に侵入されないように定期的にこの建物全体を業者頼んでセキュリティをその時の最新の物にしていまして…この部屋のセキュリティもその一環で幾度も強化を繰り返しているのです。」

「成程…因みに最近では何時強化したんですか?」

「3月の末…ですね。」

「ホントに最近じゃないですか!」

「では…説明も終えた事ですしそろそろ判断しては如何ですか?照様。」

「いえ…まだ、判断には早いと思うので俺は龍牙さんとの手合わせを所望します」

 「龍牙様…構いませんか?」

「勿論…僕も彼とは闘ってみたいと思っていたので、丁度良かったです。」

「もしかして…斗真さん、最初からこうなると分かっていましたね?」

「それはどうでしょう?取り敢えず…照様、龍牙様は武舞台に上がって下さい。」

 (反応的に、分かっていたな…凄い人だ)

そして、俺と龍牙さんは10メートル四方の武舞台に3メートル程の間を開けて向かい合った。

 「ではこれから、ルール説明を致します。ルールはこの武舞台から落ちる、『参った』等による棄権…そして、武舞台で倒れた方の負けとなります。宜しいですか?」

 俺と龍牙さんは斗真さんに向かってうなづき了承したことを表現した。

 俺と龍牙さんは再び向かいあった。

斗真さんが『ピーッ』と笛を鳴らしたのを合図に俺と龍牙さんの試合が始まった。

 俺は〈カオス・アップ〉状態になり、先制攻撃を仕掛けようとしたがそれよりも先に龍牙さんが先に仕掛けてきた。

 龍牙さんは速度を上げて俺に向かって来た、速度は俺の〈ブースト〉状態に近いが攻撃力はその状態の俺より高かった。

 龍牙さんの無駄の少ない動きから繰り出されるコンパクトな右拳からのパンチを俺は少しだけ余裕をもって、回避と受け流しをした。

 それを見た龍牙さんは少し驚いた顔をした直後に微かに笑みを浮かべてこの試合を

楽しんでいる様だ。

 そして、今度は俺が攻撃を仕掛けた。

〈カオス・アップ〉状態は今の俺にとっては最も安定して戦うことが出来る形態なのだ。

 俺は龍牙さんのパンチに回避と受け流しををした後、回避の勢いを利用して龍牙さんの右頬にカウンターのパンチを叩き込み

ダメージを与えたが出血ヲをする程ではなかった。

 俺は追撃としてカウンターを入れて、微かに龍牙さんの体がよろめいた動体に高速で連続のパンチを叩き混み、龍牙さんの体を3後方へメートル程動かした。

 「やっぱり思った通り君は強いな、闘い甲斐があるよ。」

 「俺も貴方の様な強い人に言われて悪い気はしない…けど、そろそろ本気出してくれませんか?」

 「そう?今も本気だったけど…」

「それはないですね。もし、本気だったなら俺の追撃を避けることは出来なくても防ぐことはできた筈ですから…」

 「…バレてたのか」

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る