第100節 榴の家 (侵犯編8)

(完全に袋小路だ。仕方ない、火花達と一度情報交換をした方が良さそうだな。)

 と、ここで火花から電話がかかってきた。

 「どうした?」

「どうした?…って、一度4人で集まって情報交換した方が良いと思ったのよ。」

 「俺もそう思っていたところだ。2人もそう思っているのか?」

 「そうよ、2人には既に確認してあるわ。」

 「そうか。じゃあ、決まりだな。」

「ええ。それで場所は何処にするの?」

 「何処か、良い場所を知らないか?」

「いつもの所じゃあ、奴等にチャンスを与えることになる。だから…」

「確かに、いつもの所ではまずいわね…何処なら、適しているのかしら…?」

「榴なら、適した場所を知っているんじゃあないか?」

 「確かに…そうね!榴君なら知っているかも知れなわね。照、榴君と連絡を取りなさい!」

 「言われるまだもない。」

「そう…なら、任せるわ。」

火花は電話を切り、通話は終了した。

     

        ・

翌日、俺は昨日と同様に学校が終わってから榴に電話をかけた。

 「照…どうしたんだ?電話してくるなんて…」

「実はお前に相談があるんだ…」

俺は榴に事情を説明した。

 「そうか…なら、僕の家に火花さんたちと一緒においでよ。」

「大丈夫なのか…?親の了承とか。」

「大丈夫だよ。」

「そうか…それで、いつなら大丈夫なんだ?」

 「土日ならいつでも大丈夫だよ。」

「そっか…、ありがとう。」

 俺は榴との通話を切った。

また、翌日。

ディアと彩羅の2人には学校で話し、火花には家に帰ってから電話で伝えた。

 そして、土曜日の午後2時頃に行こうということが決まりそれを榴に伝えると即オッケーだった。

 約束の日、俺達4人は榴の家の前に来ていた。

 榴の家は俺の尺度では十分に大きく、豪華な見た目をしていた。

 そして、俺が榴の家を見た第一印象は…

 「でかいな…」だったが、他の3人は、

「そう…?普通じゃない?」

「確かに、普通ね」

「普通じゃねぇから!十分デカいから!」

「でも、私達の感覚から言うとこれくらいは普通の家の大きさって感じよ?」

「そうなのか…⁈」

3人はうなづいている。

 俺は3人との世界の違いに驚いていたところに榴が玄関から出てきた。

 「今日はよく来たね。早速入ってくれ」

「「「「お邪魔しま〜す」」」」

と俺達4人は榴の家に入り、榴の案内で地下2階に向かった。

 入った部屋は壁と天井が黒に塗られていてあとは最低限の物だけがある、確かに情報交換をするにはいつも使っている部屋よりも向いていると思った。

 そして、榴がこの部屋について説明をしてくれた。

 「ここは防音室になっているから外に話の内容が漏れることはないし、セキュリティも傍から見ればやり過ぎ何じゃないかってくらているし、ネットには接続出来ないようにしてある。だから、情報が漏れるようなことは万に一つもない程にしっかりしてあるから安心して欲しい。」

 「分かった、ありがとう。じゃあ、早速情報交換と行こうか。」

「私から。私は九州と中部地方に知人がいるのでその知人から電話で異変がないか話を聞きました。」

 チラッと彩羅は俺の方を見た。

 



 



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