第95節 被害拡大 (侵犯編3)

こうして、夜が明けた。

 「今日は何も無いと良いけど…」

今日、学校へ行くと俺達3人は新しい担任に頼み事をされた。

 「君達3人に是非とも僕等の生徒パトロールに協力してくれないか?」

「何で、俺達は出来るだけ穏やかに日常を過ごしたいので…」

「頼むよ。あの時の火野、君の実力は凄まじい物だった…だから、協力してくれないだろうか…⁈」

 「…もし、あの時俺が戦ったからという理由で頼んでいるならお断りします。」

「何で…⁉️」

「何で…って、簡単ですよ。俺は出来る限り目立ちたくないんです!俺の言っていること分かりますよね…⁈」

「…ッ。なら、何故あの時お前は戦った」

「あの時は、あれは怒り心頭だった上に、学校が襲撃されたことで戦わざるを得なかったから戦っただけです。」

 そして、この日は何もなく終わり俺たちはそれぞれの家に帰った。

 2週間後。

《ここで、速報が入ってきました。検察庁が20代半ばの女を筆頭とした30名程の一団の襲撃に逢ったとのことです。そして、同様の事件が全国各地で起こっているとのことです。》

 (どうやら本当にこの国をゼロに戻そうとしているようだな…)

「ということは、あの男の目的はこの国をゼロに戻すことなのか…?」

 だがこれ以降、同様の大きな事件が報じられることはなかった…。

 こうして…僅かな不安を抱えたまま、中3の一学期は終了した。

 夏休みに入り、俺は先輩、ディア、彩羅、榴の4人を連れて新幹線で大阪に向かっていた。

 移動中は談笑をして過ごした。

そして、到着した。

 「じゃあ、俺の祖父母の家にいきましょうか。」

 そして、地下鉄とバス、徒歩で祖父母の家に向かった。

 祖父母は4人を暖かく迎えてくれた。

夜の食事中…

 「じゃあ、あの後になったのね。」

「そうだよ。父さんと母さんにも伝えてあるよ」

 「それで、どうだった?」

「認めてもらえたよ。」

 この言葉を聞き、祖父母はとても喜んでくれた。

 そうして、俺達は食事を終えた。

彩羅とディアは2階の和室、榴は祖父母の寝室で、俺は母が使っていた部屋、火花は叔母が使っていた部屋なのだが、俺の使っている部屋と火花が使っている部屋の間にある襖を開けて、半ば広めの一つの部屋で、と。それぞれ眠りについた。

 因みに何故“先輩”ではなく、“火花”と名前呼びしているのかと言うと付き合い初めてから暫く経ってから…

 「私達、付き合ってるのよね?」

「はい、そうですけど…」

「だったら、私のことを“先輩”呼びはやめてくれないかしら?」

「不満…ですか?」

「不満というか、付き合っているのに“先輩”呼びは距離を感じるから…」

「そうでしかたか…じゃあ、名前で呼んだ方が良いですか…?」

「ええ、そうして頂戴。」

と、言うわけで俺は先輩ではなく火花と名前で呼んでいるのだ。

 そして、夜が明けた。

 

 


 

 




 

 

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