第91節 回復と退院 (設立編・アフター3)
「俺が完膚なきまでに溶かして処分しました。」
「え…?溶かした…⁈本当に…❓」
「はい。綺麗に、完全に、溶かし切りましたよ。」
「そうか。僕はもっと修行しないといけないようだね。」
ここで、俺たち2人の出血とダメージはほぼ癒えた。
そして、俺はホープに終わったことをハンドサインで伝えた。
「よく分かりました。天津さん、凄いですね。師匠とあんなに闘えるなんて…」
「まだまだだよ。彼はまだ力を出し切っていないからね。」
凍士は驚愕した。あれ程、激しい試合をしていながらまだ力を出し切っていないと言われたのだから。
「今、もう一度闘ってみて確信した。
俺は龍牙さんが仲間になることを認めることにする。」
凍士達7人も賛成の様だ。
「俺達は龍牙さんの仲間入りを歓迎します!」
こうして、龍牙さんが俺達の仲間に入った。
龍牙さんが仲間に入ってからも俺は毎日の様に先輩のお見舞いと目を覚ますようにと先輩の手を握って願った。
という生活を続けて…
一ヶ月程経ったある日。
4月20日。
この日も俺は先輩の病室を訪れ、先輩の手を握り目を覚ますことを願っていた。
暫く経って…先輩はその重い瞼をゆっくりと開いた。
「先輩っ❗️俺が分かりますかッ⁉️」
「分かるわ、照…よね。私の為にあんなに怒ってくれたのはとても嬉しかったわ…。
照、顔を私の方は近づけて…」
「…こう、ですか…?」
火花照の顔を少し動かして、頬にキスをした。
俺は訳が分からなかった。
俺はいつの間に友人や先輩後輩ではなく霞火花という女性を好きになっていたことに気づいた。
「先輩…今のは……?」
「私の為に怒ってくれたことと、あの珊瑚とか言う男を倒してくれたお礼よ…。」
俺は意図せず、火花先輩にキスされてしまった。
あまりに突然のことで俺は先輩にキスされたことを理解していなかった。
そして俺が状況を理解出来ずにいるうちに面会時間は終わってしまった。
翌日、俺は再び先輩が入院している病室へ花を持ってお見舞いに行った。
「照、貴方の持っている花…」
「はい、向日葵です。それがどうかしましたか?」
「(確か…ひまわりの花言葉って…、照がそんな事知っている筈無いわよね。)いえ、何でもないわ。」
「僕は唯、先輩のイメージに合うと思ったので…」
「そう…有難う、大事にするわ。」
そして、この日の面会は終わった。
5月4日。
この日もお見舞いに先輩の病室を訪れていた。
「退院の日が決まったわ。」
「本当ですか…⁈」
「ええ、本当よ。退院日は5月30日。」
「じゃあ、その日。絶対に先輩の退院の迎えに行きますから!」
「あまり期待せずに待っているわ。」
30日。俺は学校が終わるなり、病院に直行した。
すると、何とか先輩の退院にどうにか間に合った。
先輩は松葉杖などの支え無しで普通に歩いて俺の方に歩いてきた。
「本当に来たのね、嬉しいわ。良かったら乗っていく?」
「えっ…?」
「私達は構わないわよ。」
「分かりました。お言葉に甘えさせて頂きます。」
そして、俺は霞家の車に乗って家まで帰った。
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