第83節 2つの“塊” (設立編49)
「大丈夫か⁈」
「なんとか…」
「暴走しているのはお前の友達か?」
「そうですけど…」
「そうか、なら少し離れていろ。お前の友達を元に戻してやるからな。」
「分かりました、お願いします…」
少年は暴走している友人のところから少し離れたところは移動して友人の対処を俺に任せてくれた。
「さて、やるか…」
俺はブースト+“楽”の感情を上乗せした状態で暴走している少年の相手をした。
この状態はブーストのみより速度が落ちる代わりに若干攻撃力が上がった状態なので、こういう暴走を止めるには適していると思っている。
俺はまず、自我を失っている少年の友人のみぞおちにパンチを入れて、動きを鈍らせた上で、“楽”の感情を乗せたパンチを同様にみぞおちに入れた。
暴走していた少年?は気絶し、薄紫のモヤがそのの体から出て行った。
そして、それを見ていた少年が俺の所に戻ってきた。
「何で殴ったんですか!」
「何で…、まずさっきの薄紫のもやは見たか?」
「見ましたけど、それが何の関係があるんですか⁈」
「あれは気絶させないと出てこないんだ、だから気絶させる為に殴った。」
「そうですか…、ありがとうございます。」
(まぁ、感謝しきれないよな。助けられたといえど、こんな方法じゃあ納得出来ないよな…)
ここで少年の友人が目を覚ました。
「俺は何を…⁈」
「物一、お前自分のしたこと覚えているか?」
「もしかして療ニ、お前のその怪我…俺が…⁈」
「気にするなって。俺たちは友達だ、助ける為に怪我するくらい何でもないって」
「あ、ありがとう。療ニ…」
「当然のことをしただけだって、気にするなよ…。けど、俺が可笑しくなったらお前が止めてくれよ?」
「ああ、約束だ…。」
「終わったか…?」
「すみません、待たせてしまったみたいですね。俺は石動物一(いするぎもいち)13歳の中1です。こっちが…」
「都上療ニ(つがみりょうじ)、同じく13歳の中1です。」
「俺は、火野照(ひのしょう)14の中2だ。」
「ということは、“獣の化物”さんですか…?」
「久しぶりに言われたな、そう言えば
一部でそう呼ばれてるらしいな。」
「知っていたんですか…⁈」
「まあな。俺の一番最初の弟子から聞かされたんだよ。」
「そうだったのか!」
「さて、ここから本題だ。お前達2人、俺の仲間になってくれないか…?」
「え…?俺達が…ですか⁈」
「そうだ、お前達2人からは可能性を感じる。だから、仲間になってくれないか?」
「「おい、ちょっと頬を抓ってくれ。」」
「じゃあ、同時に抓るか。」
「そうだな。」
2人は同時に向かい合って互いの頬を抓りあった。
「痛い…ということは…。」
「「夢じゃない‼︎」」
「もしかして、照さんが俺たちを鍛えてくれるんですか⁈」
「基本は教えるが、後は自分で磨くしかない。」
「「はい‼️」」
「さてと、連絡先を交換しよう。」
そうして、俺と物一、療ニは連絡先を交換した。
それと、2人が俺たち3人と同じ中学に通っていると知った。
「それじゃあ、始めたい日が決まったら教えてくれ。」
「「分かりました‼︎」」
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