第79節 帰省5 (設立編45)
その結果オッケーだった。
「先輩、虫利くんこれから俺達が帰省している家に飯を食べに来てくれないか?」
「良いの?私達は貴方の手助け等出来ていなかったと思うけど…」
「そんなことありませんよ。特に先輩には感謝しています。先輩が俺を恐れずに接してくれたおかげで今の俺がありますから。」
「そう?でも…」
「火花姉、ご馳走になろうよ!照さんのご家族に会えるってことは…」
先輩は虫利から何やら耳打ちされると顔を少し赤らめてから、俺の提案を受け入れてくれた。
「分かった、では行きましょう。」
こうして、俺の母の実家での晩御飯に2人も加わってくれることが決まった。
「少し小さい気がするんだけど…」
「それは先輩達の家がデカ過ぎるだけです!」
「そうだよ。火花姉、これでも大きい方なんだから。」
「そうなの?」
先輩の言葉に虫利くんが力強く頷く。
「それじゃあ2人共少し待って下さいね。」
俺はインターホンを押し、父さんが家からドアの鍵を開けてくれた。
「さぁ、上がってくれ。普段生活している家に比べたら窮屈かもしれないが我慢してくれ。」
そして、俺たちは2階に上がった。
「いらっしゃい、貴女が照の彼女なのね」
「母さん、先輩が困ってるだろ?」
「ごめんなさい。てっきり彼女かと思ったわ。そしてそっちが、虫利くんね?」
「貴方のことは照から聞いているわ。これまで大変だったのね。今は楽しい?」
「はい!とても楽しいです!火花姉のおかげで毎日がとても楽しくて仕方ありません!」
「そう、良かった。貴女達2人はどれくらいこっちにいるの?」
「明日、東京に帰ります。」
「そう、なら今日は目一杯食べて頂戴。」
「そうさせて貰います!今日は…つけうどん?で、合ってますか?」
「そうよ。私が照のリクエストで作ってみたら美味しくて、それから私がこっちでも同じ物を作ったら。」
「俺の爺ちゃんと婆ちゃんもハマってしまってな、それで今に至るという訳だ。」
「では、頂きます!」
「俺は下で食べるよ。2人に聞きたいこともあるだろう?」
「じゃ、そうさせてもらうよ。」
俺は今は使っていない。昔、爺ちゃんと婆ちゃんがやっていた店のキッチンで食べていた。
「やっぱ、寒い日は温かい物の方が身体に染みるな…」
・
前日、夜。
(父さん!一応警戒しておくけど、顔には絶対に出さないでよ!爺ちゃん達まで巻き込みたくないから…)
(俺が既に巻き込まれているだろ!)
(それは今更だよ。あの建物は今は俺の物じゃあなくて、父さんの物なんだから。その時点で巻き込まれてる、だから今更だよ。)
(分かった、お前達の問題は絶対に漏らさない!)
(ありがとう、父さん!)
そして、現在。
父さん、本当に大丈夫なのか?
冗談であったとしても漏らさないでくれよ、頼むから。
そして、何事もなく食事は終わった。
「母さん、先輩たちは満足してくれた?」
「満足していたわよ。」
「そうか、良かった。」
「それじゃあ、俺が2人を送ってくるよ。」
「いってらっしゃい!」
2人は何事もなく泊まっている宿に着いたらしい。
そして俺は眠りについた。
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