第77節 帰省3 (設立編43)

「成程。しかし、優秀な能力であることに代わりありませんよ。」

 「そうですか⁈私のこの能力は限定された状況出ないと使えないんです。」

「その状況というのは?」

「大体時間にしてその当人が意識を失ってから5分以内、かつ、半径200メートル以内に魂がいないといけないんです。」

「成程。確かに限定されていますね。ですが、落ち込む必要はありませんよ。」

「何故ですか?」

「簡単ですよ。俺の仲間と強力すればそれはリスクにならないからです。」

「そうなんですか⁈」

「はい、そうです。それと、遅くなってしまいましたが、俺は火野照(ひのしょう)今は中学2年生です。貴女は?」

「はい…。僕は、紅千癒(くれないちゆ)、今は高校2年生です。助けて頂いて本当に有難うございました‼︎」

(ボクっ娘というやつか、アニメの中だけだと思ってた…本当にいるなんて、世界は広いな…。)

「そんな、改まって言うことじゃあないですよ。それに人数は少ないですけど、あの男たちは俺にとって丁度良かったので。本当に気にしなくて良いですよ♪」

「でも何かお返しさせて下さい!」

「本当に必要ありませんよ!」

「でも何かお返しをしないと…恩を仇で返すことになると思うので…。」

「分かりました!なら、一つお願いを聞いてくれませんか?」

 「それが恩返しになるなら…」

「じゃあ決まりですね!それと連絡先を交換してくれませんか?」

「勿論!寧ろこちらから言わなくてはいけなかったのにすみません…」

(俺が年下だと知っても謙虚なんて、尊敬するな…)

 「気にしないで下さい。千癒さんは僕のお願いを実行してくれればそれで満足ですから。」

「そうですか…。分かりました、恩返し出来るように精一杯頑張ります!」

 俺と千癒さんとはこの後連絡先を交換し、今までと同様に満足できなければ個人的に恩返ししていただければ良いと伝えた。

 千癒さんはそれを快諾してくれた。

そして、その後俺は千癒さんの家まで護衛を兼ねて送り届けた。

 千癒さんの家に着くとご両親から俺が襲ったのかと誤解されたが、千癒さんの弁明で誤解は解けた。

 この後俺はケータイの地図アプリを使って母親の実家に帰り、祖母の作ったすき焼きに舌鼓を打った。

 そして、歯磨きやお風呂で洗ったり等をしてから眠りについた。

 しかし、俺の考えが甘かったことをあとの4日間で理解させられることになる。

 翌日も緑地公園で持久走と筋トレをしていた。

 すると、火花先輩と俺が前に助けた少年を見かけた。

 「先輩それに少年もこっちには何をしに?」

「観光兼リラックスよ。」

「そうですか…、少年、良かったな。」

「照さん少年なんて呼び方はやめてくださいよ。僕には虫利(ちゆとし)って名前があるんですから。」

「それは悪かった。虫利しっかり先輩を支えてやってくれよ。勿論、分かってるよ、僕は照さんがいなかったら今この世にいなかったかもしれないからね。」

「それで、今虫利は何をしているんですか?」

「基本的には黒鉄と一緒に私の手伝いをしてくれているわ。」

「そうですか…」

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