第76節 帰省2 (設立編42)

「本当にあの男なんですか?」

 「ああ、間違いない。写真と同じ顔だからな。」

 男の仲間達はまだ半信半疑のようだ。

しかし、リーダー格の男の顔を見て自分たちも確信したようだ。

 「さぁ、君らは無事に家に帰ることが出来るかな?」

  (丁度良いので今までで1番格好つけさせてもらおう。)

 リーダー格の男が俺に質問してきた。

「あんた、俺たちを戦闘不能にさせてどうするつもりだ?」

「そうだな…(俺のことに気づいたみたいだし、そのまま言うか。)あの男達についてお前等が知っている情報を全て話してもらおうか…」

 男達は俺の言葉を聞き突然震え始めた。

そんなにあの男達は畏怖の対象なのだろうか?確かにとてつもない強さだったが、そんなに怖がる必要は無いと俺は思った。

 「そうか、あの男たちはお前等にとってはそれ程怖いのか…」

男たちは俺の発言に答える事なく何やら話しているようだ。

 作戦会議でもしているのだろうか?

「俺たちも腹を決めた。あんたを手土産に昇格させてもらうことにするぜ!」

「聞かされているならそれはできないと思わないか⁈」

「それでも、あのお方達に恥辱を晒すくらいなら戦ってこの場で死んだ方がまだマシだ!」

 かなり酷(むごい)状態だったのにかなり身体が癒えている。凄まじい自己回復力だ。

 俺は男たちに視線を戻した。

「そうか。なら、じっくりと地獄を楽しみな…!」

そして、俺は戦闘モードに入り直ぐさま少しだけ、威圧した。

 この威圧でリーダー格の男意外は気絶してしまった。

 そのリーダー格の男も意識を保つのがやっとという感じで一切身体が動いていなかった。

 (弱い、弱すぎる。この程度の実力で俺を手土産にする等と…、しょうもなさすぎて笑えない。)

 「安心しろ。俺はあんたらに何の恨みもないから、情報を引き出す為にも殺しはしないし、直ぐに終わらせるからな。」

「な、舐めるなぁーー‼︎」

「事実だろ…じゃあ、次に会った時にじっくり情報を引き出すとしよう…」

「ど、何処だ?姿を見せろ!」

俺はリーダー格の男に軽く手刀を当てて、気絶させた。

「やはり弱すぎる。それに資質も無さそうだな…」

 あの男たちの部下ではあったようだが、力を与えられていた訳ではないようだ。

俺は火花先輩に電話し事情を説明した。 そして、男達を霞家が持っている別荘に連れて行ってくれることになった。

 「助けて頂きありがとうございます!」

「無事で良かった…。怪我は……なくなっている!凄い能力ですね‼︎」

 「凄くはありませんし、私の能力では傷を治すことはできませんから。」

 「貴女の能力ではない?では貴女の最初のあの直視できない程の傷は…⁈」

「それは私の体質です。」

「というと?」

「私は危険が下がる程、自己回復能力が上がるという体質なのです…」

「えっ!では貴女の能力というのは⁈」

「蘇生〈リバース・ハート〉と言って、瀕死でも魂を身体に戻すと言う能力です。」

「成程。しかし、優秀な能力であることに代わりありませんよ。」

 


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