第74節 対応会議 (設立編40)

「即決⁈まだ、僕何も言ってませんよ!」

「聞く必要ないもの。」

俺を含め他の会議参加者も頷いている。

 「えっ…⁈、なんで……⁈」

凍士の戸惑いの発言に反応したのは彩羅だ。

 「却下された理由をできるだけ簡単に教えましょう。」

「はい…」

「理由は2つ。まず一つ目は、そもそも貴方の考えを行動に移すことが難しいということ。次に貴方の考えを行動に移すことができたとしてもこちらの情報を与えるリスクの方が大きいこと。この2つが理由です。」

「分かったか、凍士。」

「はい…」

凍士は分かり易く落ち込んでいる、凍士としては名案だったのだろう。

 しかし、実際難しいのだから仕方ない。

諦めてくれ、凍士…

「誰か良案ある…?」

先輩の問いかけに反応したのは彩羅だ。

「私に一つ案があります。」

「言ってみなさい。」

「さっきの録音した電話の内容からあの人たちは私たちを探していることは間違いないと思います。」

全員が頷く。

「なので、私たちの周りから情報を得ようとするでしょう。それを利用するというのは?」

「確かに!それは良いかもしれないわね!」

「それは私の案に似ていると思うのですが…」と癒天が小さく呟いた。それに反応したのは榴だ。

「取り敢えず、彩羅さんの考えを聞こう」

「はい」

 「彩羅、利用するとはどういうことなの?説明をお願い。」

 「私たち4人は今、同じ中学校に通っていますよね?」

「「「そうだな(ね)」」」

「なので、あの人たちはそれを必ず使って来る筈です。なので…」

「クラスメイト等俺たちの周りに近づいて襲撃してきた時にに気絶・捕縛して奴等の情報を吐かせるって訳か!」

「そういうことです!」

「その案を採用させてもらうわ!反対は…居ないようね。ならこの案で決定。」

 火花の決定を受けて、癒天が反応して火花に質問した。

 「私も彩羅さんの案に賛成なのですが、それをどうやって実行に移すのでしょうか?」

「私の家の従者たちを使って。しかも、従者の中でも強い者を使って実行するわ」

 「その人たちはどれくらいの強さですか?」

「そうね。能力は持っていないけど全員“超人”に進化している物達だから大丈夫よ。」

 「そうですか、なら多少は安心ですね。だけどその襲撃者の強さはどれくらいですか?」

「そうね…、普通の人間より少し強いくらいよ。私たちが戦った奴はそれくらいだったわ。」

 「なら、多分大丈夫ですね。」

「癒天。もう質問はないかしら?」

「はい、ありません。ありがとうございます、火花さん。」

 「さて、それじゃあすべきことの確認をしましょうか。私の超人の従者たちが襲撃者を捕縛して情報を吐き出させるで良いかしら?」

 全員が賛成した。

「それじゃあ、彩羅の案で決定ね。」

そしてその後、全員がそれぞれの家路に着いた。




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