第73節 報告の内容2 (設立編39)

『それで、貴方達はどうしたの?』

『勿論、戦いましたよ。』『また、成長したみたいね』『ありがとうございます。しかし、今は報告の続きをしても宜しいでしょうか?』『そうね、ごめんなさい。続けて』『それで僕と僕の最初の仲間になった元不良グループがどうにか意識を保ち続けることができました。』『それで?』『男は満足したのかその場から去ろうとしました。そして、その場から去る直前に〔我々は近い将来、この国の最大の脅威。そして、この国を変える為に立ち上がるだろう!〕と、言ってから去って行きました。』「それで貴方達は無事だったのね?』『はい、そして僕等7人除いて全員が病院で入院することになりました。』『貴方達7人の怪我は大丈夫なの?』『はい、入院を要する程ではありませんが、無事でした。』『そう、良かった。』『それで貴方達はどれぐらい動けなかったの?』『2ヶ月くらいです。』『それで報告するのが今になったという訳ね。』『はい、そうです。そして、この電話の内容を照さん達に伝えていただけませんか?』『分かった、伝えるわ。最後に聞くけど、本当に大丈夫なのね?』『はい、全員生きています。最初に倒された仲間も全開とは行きませんが、回復しつつあります…』『良かった…。ちゃんと伝えるから安心しなさい。』》

 火花は録音した電話の再生を止めた。

「これが、鉱己からの報告の内容よ。」

1番に反応したのは榴だ。

「僕は、やっぱり信じられない。大人の男とはいえ、数十秒で30人を戦闘不能に追い込むなんて普通に考えてあり得ない!」

「僕も榴さんと同意見です。しかし、“進化”していたとすれば…」

 凍士のこの発言に反応したのはホープだ。 「論点はそこじゃあないわ。奴等が私達のことを嗅ぎ回っているということよ。」

「…!そうですね、すみません。1人の人間が30人を数十秒で戦闘不能に追い込んだというのがあまりにもインパクトが強くて…」

  癒天も凍士のこの発言に続いた。

「私も凍士くんと同じです。」

「さて。順序が逆になってしまったけれど、議題に入る前に私と鉱己の電話を録音したものを聞いてもらった訳だけど、今回の議題はわかったかしら?」

俺を含めた全員が首を縦に振り、理解していることを表現した。

 「それじゃあ、これを聞いた上でこれから私達がすべきことを決めましょう。」

「先ず、私達の情報を掻き集めている奴等の諜報員を見つけたら即刻!粛清すべきだと思います。」

「癒天ちゃん、それじゃああいつらと同じになってしまうよ?」

「ですけど、それが1番確実だと思います!照さんもそう思いますよね?」

 「確かにそれは最もだけど、癒天。君の考えには賛同出来ない。」

 「どうしてですか⁈」

「榴も言っていたけど、粛清じゃああいつらと同じになってしまう。それに諜報員を殺した所で寧ろこちらが不利になる可能性が高い。だから、君の考えには賛同できないんだ。」

「僕はこちらから仕掛けるべきだと思います!」

「却下よ。」

「即決⁈まだ、僕何も言ってませんよ!」




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