第72節 報告の内容 (設立編38)

火花はマズイと思った。

 火花は年末年始になる前に知らせなくてはと直ぐに照に連絡を取った。

「先輩、どうしました?」

火花は受けた報告をそのまま伝えた。

「分かりました、直ぐに情報を共有しましょう!日程が決まったら教えてください!」

「分かったわ」

そして、火花は照との通話を切り、他のメンバーにも受けた報告を伝えて日程を決めた。

 3日後、再び照に電話した。

「照、聞こえてる?」

「はい、聞こえてますよ」

「日程が決まったわよ。」

「いつですか?」

「日曜日よ。」

「分かりました。場所は?」

「あそこで良いわ。」

「分かりました。」

「じゃあ準備しておきますね。」

こうして照との電話を切った。

 日曜日、地下の武舞台のある部屋を会議室に変えた。といっても人数分の椅子を武舞台の上に置いただけの急拵えなのだが。

 「今日は集まってくれてありがとう、感謝するわ。」

 凍士が最初に火花の言葉にして反応した。

「集まるのは当然ですよ、奴等関連の話なんですから…」

 「その通りです。寧ろこれだけすぐに全員で集まれたことはかなり大きいと思いますよ。」

榴の言葉に後の5人は相槌を打っている。

「それじゃあ。早速、今回の議題に入りましょうか。」

そして、火花は録音していた電話の内容を流した。

《『火花さん、報告したいことがあります!』『どうしたの?そんなに緊急性が高いの⁉︎』『高いというか、これは絶対に報告した方が良いと判断しました。』『分かったわ、話して頂戴。』『はい、今から大体2ヶ月程前に起きたことなのですが…』

『どうしたの?言ってくれないと何も分からないわ!それともそんなに黙り込んでしまう程のことが起きたの?』

『はい…』『そう…それじゃあその詳細を教えて頂戴。』『今から2ヶ月程前僕達は仲間集めをしていました。その時既に仲間は50人集まっていました。』『凄いじゃない!かなりの手柄じゃない‼︎』

『伝えたいことはそういうことではありません。』

『じゃあ何を伝える為にわたしに電話してきたの?』

 『実はですね…、今から2ヶ月程前のある日。僕の家のポストにある手紙が入っていたのでその手紙を読み、その指定の場所に仲間50人と幾つかのグループに別れて向かいました。』『…?どうしたの?続けて頂戴』『…はい。僕たちは幾つかのグループに別れて指定の場所に向かいました。そして、全員が揃ってから容姿は20代前半くらいの男が僕たちの前に現れました』

『それで?』『その男は僕たちに向かって〔お前たちは“あの方々の計画”を邪魔する奴等だな⁈〕と言いました。』『うん』『そして次の瞬間、その男たちは僕たちにいきなり攻撃を仕掛けて来ました。その男の攻撃は重くて速かった上に移動速度も早く、数十秒で50人はいた僕達の仲間の内30人が戦闘不能にされました。』『…‼︎本当なの?』『はい、本当です…。そして、男は僕たちにこう言いました。〔まだ、お前たちの仲間は死んでいないぞ。まだ続けるか?それともお前達より上の人間を教えるか選べ〕と…』『それで、貴方達はどうしたの?』

 



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