第68節 “狂人” (設立編34)
「おい、ネモ。君のところにあいつがいただろう?」
「はい、いますが…何をさせるおつもりなのですか?」
「まぁね。取り敢えず頼むよ。」
「こう言っては何ですが…とても良い性格をしているとは言えません…。」
「今回のことはあいつにしかできないからね、頼むよ…」
福はネモに任務の内容を伝えた。
「分かりました。貴方様がそう言うのであれば、お引き受けします。」
「ありがとう。それじゃあ、宜しくね。」
「はい」
ネモは福の指示を受けて、自分の施設に戻り、自分の部屋に容姿が30代前半くらいの男を呼んだ。
「ネモの姐さん、俺に何かようか?」
「貴方に、福様から任務を与えられたわ。」
「本当か⁈やっとあの人も俺の実力を理解してくれたみたいだな。」
呼んだ男は自分の世界に入ってしまっている様だ。
「先ず、私の話を聞きなさい!(圧)」
「そうか、すまない。今まで任務なんて与えられたことなんてなくてよ、しかも初の任務があの人から与えられてよ。つい嬉しくなっちまったんだ…」
「まあ、それはよく分かるわ。けれど、取り敢えず私の話を聞いてくれるかしら⁈」
「おおすまん、そうだったな。その任務について教えてくれ。」
「貴方“解体”が好きよね?」
「そうだ。特に生きた奴が絶望に染まった顔になってから少しずつバラしていくのが最高なんだよ!そいつの魂の叫びが聞こえてきそうでよ、堪らねぇんだよ❗️」
「そう…。だけど、今回は我慢しなさい。今回はあくまでも、任務が❗️最優先!良いわね⁈」
「分かってるぜ!だから、早く任務内容を教えてくれよ。」
「まだ駄目よ。」
「何でだよ!もう十分確認しただろ⁈」
「いや、まだよ。貴方、暴走しないって今、ここで、約束して!」
「だから、任務最優先で行動すっからそんなにしつこく確認しなくても良いだろう⁈」
「丁度良い機会だから、ハッキリ言ってあげるわ。福様もあなたが暴走するのは、『面倒臭い』って言ってたわよ。」
「は?何で⁈」
「分かるでしょ⁈私達はまだ世間から注目される訳には行かないの!分かる⁈」
「…ッ」
「やっと分かったみたいね。福様は言っておられなかったけど、多分暴走する貴方を毎回止めるのは相当面倒だったと思うわよ。」
「あんたらは俺をなんだと思っているんだ…」
「福様はどう思っているか知らないけど、私は貴方を“狂人”それもとびっきりのだと思っているわ。」
「酷ぇな。」
「でも、自覚はあるでしょう?」
「…ッ。分かった、分かったから。
もう、よーーく分かったから‼️早く任務内容を教えてくれよ。」
「そうね。じゃあ、任務を伝えるわ。
福様の貴方への任務は二つ。先ず一つ目は“処理”すること。分かるわね⁈」
「勿論!」
「二つ目は2箇所のうちの一つに“プレゼント”を1番目立つ所に1番目立つ時間に送ることだそうよ。」
「両方俺がやりてぇよ。姐さんあの人との橋渡しになってくれ。」
「嫌よ、自分で福様に言いなさい。私は私ですることがあるから。」
「何だよ、つれねぇーな姐さん。」
(まぁ、良いか。顔合わせたことあるし…)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます